ガウディは ステンドグラスに関してはほとんど指示を残していません。
ガウディの世界観を想像しながら
ステンドグラスをデザインするのは→
ジュアン・ヴィラ グラウです。
ヴィラ グラウは この壮大なステンドグラスのパズルに→
18年もの間 挑み続けてきました。
その技は 今 息子へと受け継がれています。
私の祖父も父も 絵描きでした。
私自身も絵描きです。
息子のトニも絵を描きます。



色彩の効果が サグラダ・ファミリアを訪れる人々に→
これほど強い印象を与えるとは
思っていませんでした。
サグラダ・ファミリアの身廊が
完成したのは 2010年。
そこには 面積にして
1,600平方メートルを超える→
ステンドグラスが飾られています。
外から さし込む光が 柱や壁にも色彩を与えています。
足を踏み入れて ゾクゾクしました。
光と色と建築構造に心を奪われたんです。
一方の側で ある色を使い
反対側では 違う色を使う。
その複雑な色彩から ある種の神秘的な
雰囲気をつくり出しました。
朝は 東側から光がさすことで
教会の内部は青い光に包まれます。
そして 夕方には 西側から さし込む光で
赤に染まります。
それが 1日の自然な光の移り変わりです。
1日の時間の経過と共に 常に新しい光の効果がもたらされるんです。
職人たちが 伝統的な技法を用いて
ヴィラ グラウのデザインを→
形にしていきます。
ステンドグラスの制作技法は中世の時代と 全く変わりません。
伝統的な技法が 長い年月を経ても
受け継がれているんです。
ヴィラ グラウ親子のステンドグラスが
塔に設置されていきます。
♪♪~

塔の建設も急ピッチで進んでいます。
よし つり上げて。
屋根の部分に 6,500トンの重量が加わっていきます。
建物の上に エッフェル塔が
載るようなものです。
すばらしいものになります。
完成すれば サグラダ・ファミリアのイメージは一変するでしょう。
途方もない重量を支えるのは
大きなチャレンジです。
伝統的なゴシック建築に
その解決方法を見ることができます。
ドイツのケルン大聖堂は 完成までに
632年もかかりました。
高さ157メートル。
2本の塔がある教会では 世界一です。
その見事な構造は
「フライング バットレス」と呼ばれる→
技法によって実現しました。
大聖堂の外壁を支える 巨大なアーチが石の重量を地面に逃がすことで→
建物を崩壊から守っているのです。
完成すれば サグラダ・ファミリアはケルン大聖堂よりも→
およそ15メートル高くなります。
技術者たちは 塔を支える方法を考えなければなりません。
しかし 問題がありました。
ガウディは フライング バットレスを「みっともなくて不自然だ」と→
嫌ったのです。
塔を支えなければなりませんが 単に重量を支えるだけでなく→
見た目にも 気を配る必要があります。
フライング バットレスの技法を使えば→
上部の重量を

地面へ逃がすことができます。
しかし それと引き換えに
ステンドグラスに さし込む光が→
さえぎられてしまいます。
そこで ガウディは アーチを 内側に設置し 56の巨大な円柱で支えることを→
考えました。
ガウディは サグラダ・ファミリア建設の構想時には 既に→
フライング バットレスを使わない方法を
編み出していたのです。
バットレスはつけません。
円柱が塔を支えてくれます。
サグラダ・ファミリアの身廊に見られる
全ての要素が→
構造的な役割を担っています。
実に すばらしい。 巧妙極まりない。
中央の塔の下に位置し
最も負荷のかかる4つの円柱は→
イランで産出された
極めて強度の高い石でできています。
ガウディの建築は あらゆる要素が
融合してできたものです。
構造やフォルムが組み合わさり
その結果 「美」が生まれるんです。
先を見据えた ガウディの設計のおかげで
世界一の高さを誇る教会の塔は→
しっかりと
支えられることになるでしょう。
ばく大な費用 そして 技術者たちの
英知によって 130年以上の時を経て→
アントニ・ガウディの構想が ようやく


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ikatako117

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