ごめんなさい。
「生まれて初めて 本当に人に認められた」。
それから間もなく 新津さんは一つの変化に気付いた。
心を込めて掃除すると
利用する人からも→
「ご苦労さま」と
声が返ってくるようになったのだ。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
この日 静まり返った空港で天井を清掃する新津の姿があった。
客がいる日中には手が出しにくい場所を
徹底的に掃除する。
難しい場所があった。
多目的トイレ。
担当のスタッフから どうしても
汚れが落ちないという報告が→
あがっていた。
床には 油や ほこりが黒ずみとなって付着していた。
空港の中でも トイレは多くの客が利用し
汚れやすい場所。
清掃員にとって最大の難所であり
腕が問われる。
この床には 難しさがあった。
一般のトイレは平たんな床だが→
ここは 使う人が滑らないように
細かな凹凸が施されている。
その隙間に 汚れがこびりついていた。
担当者が音を上げたトイレ。
今夜 一人で向き合うと決めた。
一つのアイデアがあった。
取り出したのは
極めて細かい毛が付いたパット。
視覚障害者用ブロックに使っているものを
応用できると考えた。
深夜1時半。 作業を始めた。
まず 床に弱いアルカリ洗剤を塗っていく。
用意できたパットは4つだけだった。
いよいよ パットを機械につけ床を磨き始める。
(新津)おお~。
新津の読みは的中。見事に汚れが落ちていく。
午前3時。 床は見事に
本来の色を取り戻した。
だが 新津は仕事をやめない。
壁に付いた原因不明の汚れが気になっていた。
空港が開くまで 残り2時間。
新津は 更に腰を据えて汚れと向き合う。
洗剤や道具を替えながら→
たった一つの汚れを 地道にこすり続ける。
この場所を使う人々に
「当たり前の日常」を届けたい。
新津は そのことに全力を尽くす。
朝4時過ぎ。
新津は 最後の汚れを落としきった。
♪♪~(主題歌)
(取材者)出来は どうですか?
私 いいと思う。
♪♪~
朝6時半。 夜勤を終え最後に空港を もう一回りする。
一つずつ ごみを拾って歩く。
♪♪~
新津の一日は
こうして今日も 過ぎていく。
♪♪~
(取材者)4年がたちましたけど今 改めて プロフェッショナルとは?
はい あの 4年前 そのプロとして
評価頂いたんですけども→
やはり 私はプロとしては思いません。
あくまで そのスタートラインだと思ってるんで→
そこから やっぱり
自分の新鮮な気持ち 入れ替えて→
更新してやっていくのが
私のやり方かなと思います。
(取材者)ありがとうございました。
いえ ありがとうございました。
2019/07/02(火) 22:30〜23:20
NHK総合1・鹿児島
プロフェッショナル 仕事の流儀▽世界一の掃除さらなる高みへ〜清掃員・新津春子[解][字]
大反響を呼んだ「羽田の清掃員」が再び登場!「世界一清潔な空港」として4年連続1位に輝く羽田空港。そのカリスマ清掃員・新津春子。4年ぶりの取材で新たな挑戦に密着。
詳細情報
番組内容
大反響を呼んだ「羽田の清掃員」が再び登場!「世界一清潔な空港」として国際的な格付けランキングで4年連続1位に輝く羽田空港。その立役者が清掃員・新津春子(49)。4年前の放送後、世界中から取材が殺到し、今や道徳の教科書にもその名を刻むカリスマだ。新津は今、自らの技術をさらに高めようと空港を飛び出し、新たな清掃の道へと歩み始めた。そのための道具選びや鍛錬の日々に密着。その志の真意とは?!
出演者
【出演】清掃員…新津春子,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化