異変が起きていました。
別のライバル メスのキーです。
おびえるコガネ。
コガネにとっても大事な食事場所ですが…
あらら。
これまでの観察で メスたちは→
母と姉が死んでしまったコガネはここを1匹だけで守っています。
食事場所を
キーに占領されそうになったり→
気の休まる時はありません。
そこに 大きなオスがやって来ました。
うわっ 中に入ってきます!
警戒するコガネ。
オスが鳴き始めました。
シャームと呼ばれる5~6歳のオスです。
あろうことか
シャームは子どもたちの真横に!
でもコガネは なぜか止めようとしません。
フウの毛をよく見てみると→
(鳴き声)
「くるる」という鳴き声は信頼している相手に出すもの。
このあと 驚きの行動を見せました。
そばに現れた黒いオス。
シャームが
じっと にらみつけています。
この辺りで最も大きなオスです。
シャームが近づいてきます。
(鳴き声)
出ました! 「鳴き合い」です。
声の大きさや回数を競う
オス同士の力比べ。
(シャームの鳴き声)
シャームの気迫に押され黒ネコは声が出ません。
シャームの圧勝です。
オスたちは次々と現れますがシャームは鳴き合いを挑み→
激しいケンカ。 シャーム
ぎりぎりで踏みとどまりました。
危な~い。
相手に にじり寄るシャーム。
黒ネコは気迫に押されて降参です。
あの~ ちょっとよろしいでしょうか?あら ヒゲじい どうしたんですか?
いや 前にも同じことを
聞いちゃったかもしれないんで…。
ああ 遠慮しないでください。
あはは。 では聞きますが→
お父さんが自分の子どもを守るなんて
当たり前じゃないですか。
そんな珍しいことなんですか?
ええ。
え そうなの?
例えば こちらのチーターやヒョウも→
みんな お母さんが1頭だけで
子どもを守り 育てます。
イエネコも同じだと→
長年 考えられてきたんです。ほうほう。
その証拠に ほら。
メスが子育てに大忙しの間も→
ほとんどのオスは こんなふうに
だらだらと過ごしています。
ゲッ なんだか耳が痛い。
オスは複数のメスと関係を持とうとし→
多くの子孫を残そうとするため→
私たちはコガネの双子の兄弟 オスのコムギが→
全く違う行動に出る姿を
初めて映像に捉えました。
当時 コムギは まだ若く
力も十分ではありませんでしたが→
他のオスたちから わが子を守ろうと→
自分の子どもの周りにニオイをつけて回ったり→
危険なオスが現れると
体を張って追い払ったりしていたんです。
わが子を
しっかりと守る姿が捉えられました。
コムギは
まだ若くて 力の弱いオスでしたが→
シャームは実力のある立派なオスです。
こうした行動は コムギというある1匹の特別な行動ではなく→
普遍的なものである可能性も
高まってきたというんです。
何より 母と姉を失い
共同保育ができないコガネにとって→
子どもを守ってくれるシャームは
大切な存在に違いありません。
さらに観察を続けていくと シャームの
徹底的な子煩悩ぶりが見えてきました。
うん! コガネにとって
シャームは まさに白馬の王子。
イクメンならぬ
イクニャン王子だニャン。
ネコをかぶらないでください。
すいませ~ん!
♪♪~
たくさんのネコたちがの~んびりと暮らす 相島。
ネコたちが おおらかなのは→
島の人たちが 大抵のことは気にせず→
ほうっておいてくれるおかげです。
ふだんはネコの暮らしに干渉しませんが→
困っている時には そっと助けてくれます。
古くからこうして 人とネコが→
仲良く