ヒョウの暮らす森が広がっています。
しかも 生息密度は世界屈指。
人々が寝静まったころ ヒョウは森を出てムンバイの街へと繰り出します。
おや 後ろから来たのは子ども。
幼いころから親に連れられ街に出ることを覚えます。
街に出てくるヒョウ。
驚くべきものを食べています。
監視カメラが
その様子を捉えていました。
住宅の敷地に侵入し
獲物を物色するヒョウ。
あっ 番犬に気付かれてしまいました。
(イヌの鳴き声)
シャッターに阻まれて
中には入れません。
ここは ひとまず退散。
こちらでは 建物に忍び込んで…。
あっ 捕まえました!
イヌです。
なんとヒョウは
イヌを狙っていたんです。
ムンバイでは ヒョウの獲物の
実に4割が このイヌなんです。
人のすぐ近くに現れるヒョウ。
より深刻な問題も起こっています。
昼間なのに
住宅街に出てきて暴れています。
時に誤って人前に出てしまうんです。
あっ! 人に襲いかかっています。
1990年から2013年の間に
なんと200人近くが→
ヒョウに襲われているんです。
こちらでは 屋根の上で大暴れ!
ちょ ちょ
ちょっと待った! ちょっと待った!
これ とんでもないことに
なってるじゃないですか!
ヒョウが街なかで暴れ回っているなんて
いくらなんでも危なすぎますぞ!
ホントですよね。 実はインドでは
ヒョウを殺すことが→
法律で禁じられていて
むやみに駆除ができないんです。
いや でも 人に襲いかかってますよね?
早くなんとかしないと食べられちゃう。
いや 人を食べようとして
襲っているわけではありません。
パニックを起こしているんです。
人から逃げたいのに それを邪魔されたと思い 必死に抵抗してるんですよ。
えっ あ そうなんだ。
でも このままでは危なくて しかたありませんよね。
そりゃそうでしょ。
そこで 最近 ムンバイでは人とヒョウの不幸な事故を防ぐため→
新たな取り組みが始まっているんです。
ほう! 一体どんな取り組みですか?
こちらは
ムンバイ出身の ヒョウの専門家…
街の人たちから ヒョウの目撃証言を集め
生態を調査しています。
ティワリさんは
こうした人々の目撃情報の中に→
共存へのヒントが
隠されていると言います。
調査の中で
ヒョウが どんな時に人を襲うのか→
少しずつ明らかになってきました。
ティワリさんは その情報をもとに→
どうすれば
ヒョウの攻撃を防げるかを分析。
いくつかのルールにまとめて
街の人々に伝えているんです。
へ~ それって どんなものなんですか?
はい。 例えば…
…など どれもシンプル。
これまで2万人以上に伝え大きな成果をあげているんです。
へえ~!
私は…
う~ん なるほどね。
道のりは長いかもしれませんが→
ヒョウと人が うまく
共存できるようになるといいですなぁ。
本当に そうですよね。
インドではヒョウのほかに ライオンやトラも 人里の近くに住んでいて→
それぞれ
共存への模索が続いているんです。
2回にわたってお送りしてきた
ビッグキャットたちの物語。
今 彼らは 急激に数を減らしています。
中南米のジャガーは 家畜を襲う害獣として駆除されています。
トラは 生息地の96パーセントを失い
今や4,000頭以下。
ユキヒョウも 3,000頭ほどしか
残っていないともいわれます。
私たちが このまま
ビッグキャットのすみかを奪い続ければ→
いずれ絶滅してしまうかもしれません。
環境や獲物に合わせて生き方を変えて→
苦難を乗り越えてきた
ビッグキャットたち。
200万年以上の長きにわたって