2020/02/09(日) 23:00〜23:30 美の壺・選「いろり」[字]
♪♪~(テーマ音楽)
♪♪~
(草刈)こんにちは!おばさ~ん!
あれ? いないのかな?
上がるよ!
あ~ ハハハハ…。
へえ いろり。 フフッ。
はあ~ 懐かしいなあ。
子どもの頃ここで ごはん食べたり→
昔話 聞いたり…。
あれ? 何だ? これは。
「正雄
ちょっと出かけてくるから→
薪割り頼みます。→
野菜も洗っておいてね」。
はいはい 分かりましたよ。
炉を切って 火をおこし→
暖をとり 煮炊きをする いろり。
揺らめく炎の移りゆく表情は心も和ませてくれます。
最近
いろりを作った お宅があります。
モダンなリビングの
その先に→
いろりです。
あるじの憧れが形になったといいます。
身も心も ぽかぽか暖まる。
懐かしくて新しい→
いろりの魅力を ご紹介します。
岐阜県北部。
日本有数の豪雪地帯にある白川郷。
ここで見られるのが→
急勾配の屋根を持つ
合掌造りの建物です。
とりわけ 長い歴史を秘めた一軒。
かつて 養蚕業を営む大家族が→
いろりと共に暮らしていました。
この家が建てられたのは嘉永3年。
今から およそ170年前の事でした。
広い座敷の一角には→
客をもてなすための
いろりがあります。
その隣に
家族が生活していた部屋があり→
そこにも いろりが。
♪♪~
いろりの上にあるのが…
地方によってさまざまな呼び方があり→
白川郷では 火天といいます。
煙でいぶされ 黒光りしています。
♪♪~
長い年月 受け継がれてきたいろり。
今日 1つ目の壺は→
「ぬくもりを伝えて」。
いろりは 今
村の人の手で守られています。
その一人…
たきつけには→
秋のうちに拾っておいた
小枝や杉葉が使われます。
♪♪~
風が下から入るように木を組むように→
気を付けながら やってます。→
薪によっては火のつきが悪かったりするので→
今日は つくかなって
心配しながら つけてます。
今日は うまい事 ついたなあ
と思って→
ちょっと安心してます。
はい。
火がおきると
暖かい空気が上がっていきます。
しかし
すぐに天井に昇ってしまっては→
部屋全体が暖まりません。
そこで力を発揮するのが火棚です。
火の粉が飛び散らないための
防火の役目と→
暖かい空気を
横に拡散させる働きがあります。
この一枚の板が 上昇気流を遮り→
効率よく部屋を暖めてくれるのです。
煙は 建物の2層 3層 4層全てに
くまなく巡っていきます。
まず 煙の通り道として作られた
隙間を抜けて→
2層目に上がってきました。
♪♪~
そして 3層目へ。
最後に 煙は 最上階に到達します。
この煙には
もう一つ役割があるといいます。
いろりの煙は
夏場 屋根にこもる湿気を取り→
かやぶきにつく虫の駆除に
役立つといわれます。
この建物は 1年半前に
屋根をふき替えたばかりですが…。
同じ白川郷の合掌造りの
こちらの屋根は→
ふき替えて 20年。