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2020/12/15(火) 16:35〜16:50 【連続テレビ小説】純情きらり(130)「さよならを越えて」[解][字]


ね! 冬吾~! おい!
「猫じゃ猫じゃ」やってくれ!

なっ?
(八州治)♪♪「猫じゃ猫じゃと」
お前 少し黙れ。 しゃべり過ぎだ。
冬吾。
お前… 生き延びて 絵 描けな。
俺 ず~っと お前の才能に
嫉妬していた。→
そのうち ヤキモチやくのも
ばからしくなって→
ただ 感心するようになって→
しまいにゃ誇りにさえ思うようになった…。
だからさ 俺 赤紙が来て
こんなふうに うろたえてるけど→
これが お前に来たんじゃなくて
俺に来て よかったって…。
♪♪~
絵 描けよ…。 生きて…。
俺の分まで生き延びて!


絵 描けよ!
♪♪~
(泣き声)
死ぬな。
♪♪~
死ぬな!
(泣き声)
バカ野郎。 俺はよ~ お前なんかに
抱かれたくねえよ。→
何 やってんだよ。→
どうせ 抱かれるんだったら杏子さんの方が いいや!
はっ!
嘘です! 嘘です。
ああ 俺… ずっと
その人に 岡惚れしてたから…。
ヘヘッ ヘヘッ! 冗談です。→
すみません…。
八州治さん…。
生きて帰ってきて下さい!
ありがとう…。
俺 もう いつ死んでもいいや!ありがとうございます…。
♪♪~
<この翌日 八州治と杏子達は東京へと去っていったのでした>
♪♪~
冬吾さん…?
今日がら 俺は
この部屋に 籠もる。→
俺は こごで 好きなだげ絵を描ぐ。
八州治のいた部屋でな。
♪♪~

<冬吾は それから 部屋に籠もって絵を描き始めました。→
ろくに食事さえとらずに
描き続けたのです>
♪♪~
(笛子)「隣組の組長さんのところに行ってきます。→
冬吾に おにぎりを
持っていって下さい」。
冬吾さん。 少し食べて下さい。
食べて下さい。 ほいでないと 私この部屋から出ていかんよ。
桜ちゃん。
村山槐多って知ってるか?
22歳で 結核で死んだ絵描ぎだ…。
そいつの書いた詩にこんなのがある。→
「神よ 神よ この夜を
平安に すごさしめたまへ→
われをして このまま
この腕のまま この心のまま→
この夜を 越させてください→
あす一日このままに置いて下さい→
描きかけの画を あすも
つづけることの出来ますやうに」。
今になって
この詩の意味が分がってきた。
八州治に 赤紙が来たぐれえだ。
俺にだって いつ来るか分からねえもんな。→
いや その前に 大きな爆弾で→
町ごと焼かれてしまうかも分からねえ。
ほんな怖い事 言わんで下さい!
俺は もう 死ぬのは 怖くねえ。
死んで 絵が描けねぐなる事が

おっかねえ。
♪♪~
私は… 冬吾さんが 死ぬのが怖い。
♪♪~
あの がれきの下にいた時→
桜ちゃんが 「生きろ」って
しゃべってくれたから→
俺は 今 生きてる。
♪♪~
んだども あの時…
桜ちゃんの顔を見ながら→
俺は 一遍 「死んでもいいな」って
思ったんだ。
♪♪~
この世の 音も 光もな~んも なぐなって→
俺は 暗い夜の空に 桜ちゃんと
たんだ2人 浮かんでるんだ。
そしたらな それは それで…
いいような心持ちがした。
地べたに 体 残して

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