父親や兄と仲の悪かった主人公。
味方をしてくれたのは→
清という お手伝いさんたった一人だった。
…という語りから
ストーリーは始まります。
ちょっと
かわいそうな主人公なんですよ。
だけど 明るく
前向きに生きてて→
だけど 結局
失敗しちゃうんですね。
だから あの…
失敗しちゃう小説です これ。
青春って
失敗じゃないですか。
…だらけです。
えっ カレンさんも あるんですか?
今から考えると?
そうです そうです。
そういう事が
書いてるんです。
失敗しちゃう
小説。
すごくないですか? これ。
(カレン)すごくボロボロになっちゃってますけど。
これ お風呂で読んでるんですけど
ちょっと 触ってみます?
すごい ほんとだ お風呂らしい。
この… 湯気でやられた感じ。
僕 夏目漱石
すごく好きなんで→
文庫本も
もともと 持ってるんですけど→
旅先で読みたくなると
買っちゃうんですよ。
(カレン)何個も何個もあるんですね。
そういうのあります? カレンさんも。
私も あの… さくらももこさん。
「ちびまる子ちゃん」。(カレン)はい エッセーですよ もちろん。
あっ エッセーの方。
(カレン)漫画じゃないです。 そう。
お風呂用のもあります?
お風呂用というか…
じゃ さくらももこさん
みたいなのが この… これです。
これ 1週間ぐらいで書いちゃった
といわれてるんです。(カレン)え~。
あの… 当時 しかも
漱石 大学と高校で教えてて→
授業もあって
試験の採点もしてて。
ダ~って書いちゃったらしいです。
あの… 小説書くってディトックスに似てるんですよ。
毒出しというか…。
デトックス。すいません発音が悪くて。
あの… アハハ。
自分の中にもやもやっとしたもの→
あるじゃないですか?
あります。
それを外に出す事で スッキリする。
だから 漱石は→
「坊っちゃん」
書いて スッキリしたんですけど。
ただね 我々が
「坊っちゃん」読んでも→
やっぱり
スッキリするんですよ。
へえ~。
だって さくらももこさんも→
そうだと思いますよ 僕。
デトックスだと思いますよ。
面白い。
どういうとこが面白いですか?
もう 自分を
あそこまで書くっていうのが→
すっごい好きです。
全部書いちゃう。
自分のだめなとことか。
(カレン)そう! …で面白~く書いてくれるんですよ。
それが 夏目漱石を考えるうえで→
一番大事な…
脳科学的に言うと。
すごいです。自分を客観的に見る→
この能力が
漱石は すごく優れてるんですよ。
実はね この「坊っちゃん」→
すごくかわいそうな境遇だったって→
言ったじゃないですか。
言ってました。
それ 漱石自身の事なんですよ。
漱石って 里子に出されちゃってる。
…で そこで
あんまり→
ちゃんと
育ててもらえてなかったんで→
かわいそうになって
お姉さんが連れて帰ってきたとか。
複雑な家庭環境なんですよ。
そうですか。
そういう事を