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2020/12/19(土) 13:05〜13:50 麒麟(きりん)がくる(36)「訣(けつ)別」[解][字][デ][再]


昨日 御所へ行った。
(熙子)御所へ?
御所で 帝のお声を聞いた…。
信長様が 帝を敬うておられるのが

少し分かった。
我ら武士は 将軍の名の下に集まり
世を平らかにすべき そう思うてきた。
だが 信長様は もはや
そう思うておられぬのかもしれぬ。
そう思うた。


(熙子)昨日 左馬助が近江から帰りました。→
坂本城が だいぶ出来上がったと
うれしそうに話していました。
うむ…。
そうじゃ。 一緒に城を見に行かぬか。坂本へ…。
は…?
城が出来たら まず誰よりも先→
そなたに見せてやろうと。
はい うれしうございます!
うむ…。
♪♪~
これが 天主というものですか?
うむ。
ここに立って外を見ると
この城が 湖に浮かんでいるように思える。
(熙子)
まことに… 湖の中にいるような…!
この城は水城。 堀は外湖に続いておる。
そなたと子どもたちを舟に乗せ月見に 漕ぎ出してゆくのだ。
湖の上で 子どもたちに古き歌を教える。
「月は舟 星は白波」…。
「雲は海 いかに漕ぐらん桂男は」…。
「ただ一人して」。(笑い声)
必ず皆をここへ呼び寄せる。
人質として そなたたちを京に残せとは…。
いかに公方様でも→
何と仰せになろうとその儀だけは のめぬ!
この近江の国は→
美濃の国と京とのちょうど中ほどでございましょうか?
今 どちらに心を引かれておられますか?

どちらも大事なのだ。
どちらも。
ただ…。
今のままでは済まぬやもしれぬ。
元亀3年 春 幕府と織田の連合軍が河内の国に向けて出陣をした。
松永久秀と 松永に急接近してきた→
三好の一党を討つための大がかりな出陣であった。
これより 松永を討つ!
(一同)はっ!
しかし 織田信長は この戦に加わらず
河内に攻め込んだ連合軍も→
松永久秀を取り逃がし 戦を終えた。
(武田信玄)このところ 信長の動きが鈍い。
公方様との足並みにも 乱れがある。
その公方様はわしに上洛せよと矢の催促じゃ。
出陣の機は熟したと思うが どうじゃ?
(一同)はっ!
まず 遠江へ出て
浜松城の徳川家康を討つ!
その年の10月
信玄は 京に向かって進撃を開始した。
出陣じゃ!
(一同)はは~っ!
(織田信長)十兵衛が坂本にいると
便利じゃ。 呼べば翌日には来る。
私も申し上げたき儀があり
好都合でございました。
まず わしの話じゃ。
はっ。
3日前 夢を見た。

甲斐より 大入道が上洛し わしを捕らえて公方様の前に突き出すのじゃ。
公方様は 事もなげに
耳と鼻とをそぎ落とし→
五条の橋にさらせと仰せになる。
そこで目が覚めた。
恐ろしい夢じゃ。 しかし こう思うた。
近頃 わしは公方様に冷たく当たったかもしれぬ。
そなたも目を通したであろう。
公方様に送った あの文を。
いくつもの例を挙げて
公方様をおいさめした。
よく働いた家臣に褒美をやらず→
己がかわいいと思う近習の者にのみ金品を与える。
わしの許しも得ず 諸国に御内書を送り
寺社の領地を没収したり→
お支えするこの信長も面目が立たぬと。
まことに手厳しい文でございました。
後で思うた。
どうも 遠慮が足りなんだようじゃ。
夢とはいえ あれで わしは
耳 鼻をそがれることになったのだ。
違うか?
そこで思いついたのじゃ。
この鵠を差し上げ
日々のお慰みにして頂こうかと。
公方様も
幾分 ご機嫌を直して頂けると思うてな。
松永久秀を討てと命じられた折も
すかさず兵を出した。
わしなりに気を遣うておるのじゃ。


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