≫悪質極まりないダンプカーによるあおり運転。
そのドライバーを取り締まるため
に京都府警は
所轄の宇治警察署に
捜査本部を設置。
3カ月にもわたる捜査が始まった。
≫動画をもとに、どうやって捜査を進めていくのか。
まずは、いかに危険な運天かを
浮き彫りにしていく。
≫常識はずれの車間距離。
その危険性を数字で具体的にし、動かぬ証拠に。
≫動画を1コマずつ送っていき、
車間距離と走行時速を割り出した。
その結果、なんとダンプカーは
軽自動車に
時速56kmの速度で、僅か車間距
離4mまで迫っていた。
それはどれほどのプレッシャー
なのか、「Nキャス」は
運送会社に協力してもらい、
実際、体験してみた。
≫運転席に座ってルームミラーを
見てみると
ほとんどダンプカーのフロント部
分しか見えていません。
≫ルームミラーでもサイドミラー
でも追突の恐怖を覚えた。
走っていたらなおさらに違いない。
あの動画をふだん、ダンプカーを運転しているドライバーに
見てもらうと…
≫今回のダンプカーの速度、時速56kmで
必要な車間距離は
普通車でも40m前後。
それが重たい10tのダンプカー
では
更に長い距離が必要に。
4mでは、あまりにも短い。
捜査本部は映像の解析を進め、ダン
プカーが
ある運送会社の所有であることを
突き止めた。
深夜2時、その運送会社へ。
極秘の内偵捜査だ。
≫悪質な運転手は誰なのか。
特定するために張り込む。
≫運送会社の朝は早いが、
まだ誰もいない。
敷地内には映像と似たダンプカー
が何台も。
捜査車両を近くに停め、
動きを待つ。
すると1時間後、運送会社からダン
プカーが出てきた。
≫間違いなく、あのあおり運転をし
たダンプカー。
尾行に気づかれないよう、
細心の注意を払い、追跡。
その結果、ダンプカーの運転手と
思われる人物が浮上した。
捜査開始から2カ月。
ついにその日が。
≫二度とあんなあおり運転はさせ
ない。
総勢11名の捜査員が
運転手のもとへ向かった。
必ず特定してみせる。
午後3時半、運送会社に到着すると…
3台の捜査車両を配置し、
張り込み開始。
これまでの内偵捜査で運転手は
必ず夕方6時までに、どちらかの方向から
帰社することが分かっている。
1時間後、幹線道路で待つ捜査車両の前を…
≫あのダンプカーが横切り、
捜査員に緊張が走る。
予定どおり帰社すれば
こちらのもの。
≫ダンプカーは会社の
入り口近くで待つ
捜査車両の前を通過し、駐車場に。
今だ!ついにそのときが来た。
まずは社長などから情報を得て、
あのダンプカーの運転手が誰なのかを特定しなければ。
≫次々と捜査員たちが入っていき、
捜査は一気に大詰めに。
現場の指揮を執る警部が
社長にこう切り出した。
≫内偵捜査で目撃した運転手が
あおりの運転手で間違いないようだ。
≫社長自ら再三注意したが、改善さ
れなかったという。
意外にも運転手は素直に
捜査に応じた。
≫とぼけているのか全く身に覚え
が
ないという、そのうえ…
≫軽自動車のドライバーの気持ちが分かるので、
あおることなどしないという。
しかし、捜査員は映像と押収した運行日報などを証拠に
運転手を道路交通法違反で検挙。