この日梅元さんが 何かを思いついたみたい。
お~ あつっ。
吉田さんが育てている根曲がり竹を他の竹に まぜてみることにした。
でも 梅元さん せっかくの根曲がり竹を
すぐに与えようとはしない。
タンタンが 自ら目覚めるタイミングを
じっと待つ。
さあ 入ってくるかな…。
ごはんやで。 いってらっしゃい。
部屋に入ってきた タンタン。
根曲がり竹を見つけると…。
猛然と食べ始めた。
♪♪~
根曲がり竹が食欲に火をつけたのか
タンタン 他の竹も モリモリ食べる。
♪♪~
食べた。
おっ 85や。
朝に比べて 2キロ83やったんが 5になりましたね。
おいで おいで。
はい どうぞ。
その後も しばらく 偽育児は続いた。
でも 梅元さんたちの手厚い世話により→
タンタンが 体調を崩すことはなかった。
おなかすいた どっか痛い眠たいって言わないし。 うん。
じゃあ やっぱり…
長生きしてほしいし 健康であってほしい。その一点ですよね。
♪♪~
(園内放送)「当園は 間もなく閉園の時間となります」。
午後5時。
タンタンが 毎日行う日課が始まる。
はい。
よう来たね。 いいよ。
梅元さんが合図をすると
タンタン ごろりと あおむけに。
はい 賢い。 グッド。
すかさず 検温。
グッド!
今度は 掛け声に合わせ右手を突き出した。
その隙に 血圧測定。
採血も。
♪♪~
これ 「ハズバンダリートレーニング」と呼ばれる 動物の健康管理法。
ステイ。 はい 触るよ。
複数の合図を聞き分け→
タンタンは 自発的に
診察を受けやすい体勢をとる。
グッド。 はい りんごちゃん
りんごちゃん。
タンタンの健康管理に→
ハズバンダリートレーニングが取り入れられたのは 9年前。
今では 10種類以上の
検査や治療ができるようになった。
この ハズバンダリートレーニングを
取り入れたおかげで→
早期に発見できた 大きな病気がある。
3年前。
いつものように検査していた梅元さんが
異変に気が付いた。
これ ちょっと おかしいんじゃないかな
というふうになって。
診断の結果
タンタンは パンダとしては珍しい→
真菌性角膜炎であることが判明。
放っておけば 失明のおそれもあった。
梅元さんたちは 目薬を使って
治療することに決めた。
でも そこには 一つ 大きな問題が。
こちらは治療を始めた頃の映像。
注射器から噴射される薬を
タンタンが嫌がっているのが 分かる。
この調整も これじゃ あの
届かないんですよ パンダの目まで。
どうしても
これくらいになっちゃうんで→
バチャッて いっつも。
ピュッていう感じにやるとビャッてなるんで→
かわいそうでしょう パンダも。
(取材者)なるほど。
当時のことは 吉田さんがつけている
飼育記録にも記されている。
嫌だと思いますから→
ここに 液体 いっぱいつくんで目も開けにくいし→
結局 手で こう拭ってしまうとか。
梅元さんたちは目薬をさす方法を見直すことにした。
直接 その 更に…
より その薬が入ってる可能性とかまあ 量というのを→
あげていったっていう流れなんですね。
こちらは ネズミなど 小動物の胃に薬を流し込むための医療器具。
これを 応用することに決めた。
誰も試したことがない方法。
それでも
梅元さんたちには自信があった。
ステイっていうか 止まれっていうの
ず~っと…
ず~っと それは してきたことなんで
その 止まれっていうのを教えて…
(取材者)なるほど。
ちょうどええわ。 おいで。
ステイ。