♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
♪♪~(ピアノ)
(番組担当者)OKです。
ありがとうございました。
(松尾)先生 お疲れさまです。
(西園寺)松尾 今日の予定は?
ああ え~とですね…。
先生 お客様が お見えです。
松井君!
(達彦)突然 お邪魔して本当に 申し訳ありません。
お子さんが
お生まれになったんですってね。
お元気でしたか?
はい。 おかげさまで。
ただ 桜子の症状は
思わしくないんです。
そうですか。 何と言っていいか…。
先生。 去年の演奏会では大変 ご迷惑をおかけしました。
その上に おこがましいお願いで
恐縮なんですが もう一度→
彼女の作品を 世に出す機会を
与えて頂けないでしょうか?
しかし 桜子君が…。
桜子は もう ピアノは弾けません。→
先生に 代わりに弾いて頂いて→
できれば ラジオで放送して頂きたいと思ってます。
先生。
病室で書いた作品もあります。
生まれてきた子どものために
書いた小品です。→
手前勝手な事ばかり申し上げて
本当に申し訳ありません。
分かりました。 しかし ピアノは
松井君 君が弾いて下さい。
僕がですか?
これは 君からの彼女への贈りものなんでしょう?
しかし 僕は
この数年 ピアノを触ってません。
だったら もう一度
練習してみては どうですか?
君なら できますよ。
♪♪~
(桜子)おいしい。
(仙吉)ほうですか。
(野木山)おいしいですか?
ホントに おいしい。
今 うちで出来る中では
一番 八丁味噌に近い味ですわ。
元気になられて うちで
味噌 あがっとくれましょう。
みんな 女将さんの帰りを
待っとりますで。
帰りたいね。
♪♪~
輝一が
立って歩けるようになる頃には。
そしたら 急がなならん。
まあ 首も しっかり据わっとるでじき 立って走りだしますわ。
見たいなあ…。
だっこしたい。ハイハイしとるとこが見たいなあ。
見られますわ じきに。
はよ元気になっておくれましょう。
♪♪~
(杏子)ラジオ放送?ピアノは 僕が弾きます。
西園寺先生に 応援して頂いて→
ラジオで放送してもらえる事になりました。
(浩樹)すばらしいじゃないですか。
私達も 桜ちゃんに 何かしたいね。(笛子)そうだね。
桜ちゃん 近頃 会うたんびに→
きいっちゃんの話ばっかりするでしょう?
「きいっちゃんの顔が見たい。
抱きたい」って→
口癖みたいに言っとるわ。
なんとかしてやれんかやあ。
ほいだって
このまんまだと 桜ちゃん…。
(笛子)杏ちゃん。
(杏子)ごめんなさい。
思い出すねえ。 桜ちゃんが
女学校にあがって すぐの頃→
私 こうやって
よく 髪 結ったね。
ほだったね。
おさげが よう似合っとった。ほうかなあ。
走ると そのおさげが
肩で ピョンピョンはねて かわいかった。
ほうかあ。
うん。
覚えてる? 河原のうちで
私が ひどい目に遭っとった時→
桜ちゃんが 迎えに来てくれて
2人で 手つないで 走った事。
覚えとるよ。
私は桜ちゃんの背中を 見つめてた。
えらい 心強かった。
私は 杏姉ちゃんの手が温かかった事を覚えとる。
叔母さんが病気だって事に
しただったよね? あん時。
ほだ ほだ。 座敷に 布団敷いて