何よりも大切にしてきました。
しかし 息子を担当している
精神科の医師には→
家に帰すことに ためらいがありました。
小堀先生は 親子が安心して家で暮らせる体制を作ることで→
息子を退院させられないかと
考えていました。
息子の主治医に相談を持ちかけます。
もしもし? 渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生で…。
あの~ 堀ノ内病院の小堀ですけども。
看護師とヘルパーを 毎日 派遣し→
父と息子 どちらに変化があっても
小堀先生が駆けつけることにしました。
そういうとこが
あるんじゃないですかね。
それから1か月余り。
息子の茂章さんは 家に帰ってきました。
涙 出た? つらい?
いや もう…。
うれし涙か。 それを言ってくれないと。
悲しいのか…。
渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生が心配してたのは
お父さんが とても状況が悪いとね→
あなたが心配して あなたの病状が
悪くなるんじゃないかっていうことを→
心配していたんだよね。 渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生はね。
今の状態だったら あんまりそういう心配はしなくていいね。
少なくとも こんな元気で。
だって あなたが うれし涙が出るほどねっ うれしいんだからさ。 ねっ。
あなただって ずっと 息子に
帰ってきてほしいってことは思ってたし。
あの~… だから いいんじゃない。
症状?
コメント?
父親の病状が まだ心配な茂章さん。
小堀先生が書いたのは 2つのことです。
1つは お父さんは とにかく予想以上に安定してるから 私もうれしいと。
何といっても 今度のことっていうのは→
食べられなくなって 入院して肺炎 起こしたっていうのは→
要するに 年齢的に もう限界にきた
っていうことで なったわけですね。
老いるっていうことは
止められないからさ。
でも それ どっかで
考えといてちょうだいねっていうのが→
これだよ 2番目。 この状況が続けば
何も言うことはないが→
将来 病状が悪くなることもあるので
その時のことも考えておいて下さい。
その時は いろんな方法がある。
例えば あなたはもう見ていられないから つらいから→
病院にいて ここには来ないと。
そういう状況だってある。あなたのことを主に考えればだよ。
だけど お父ちゃんは
やっぱり 息子に 手を握って→
最期を過ごしたいっていう
思いもあるからね。
そのへんのことですよ 問題は。
何か あなたは言うことありますか?
こんな うれしいことないね。
いやいやいや じゃあね。
よかったね。
ええ よかった。
何もすることはないからね。
ありがとうございます。どうも失礼いたします。
小堀先生が茂章さんに期待したのは
父親のそばにいること。
実際のケアは 専門のスタッフが行います。
お邪魔しま~す。すみません こんにちは。
よいしょ。 冷たいよ。
うん。
この日 2人の家に来たのは
經さんの身の回りの世話をするヘルパー。
毎日 朝夕2回 体を拭き
オムツの交換をしてくれます。
ちょっと こっち 息子さんの方 向いてて。
息子さん 見えました?見えないよ。
え~っ そこにいるけど。
手 振ってあげて。
ははははっ! 見えた?
見えました? あっ よかった。
また 誰か いらっしゃいましたね。
失礼します。
続いてやって来たのは 訪問看護師。
お邪魔します。
98の52ですね。
脈や血圧を測り病状に変化がないかチェックします。
經さんは 口から食事がとれないため→
胃ろうによって栄養を 直接 胃に送っています。
ケアにかかる費用は→
介護保険や年金から何とか やりくりしています。
茂章さんにとって→
士官学校で学んでいた父は若い頃からの憧れでした。
大学を出たあと 自衛隊に
自ら入隊したのも そのためです。
しかし 現実は つらいものでした。
厳しい規律に 過酷な訓練。
茂章さんは耐えきれず
3か月で退職します。
何が 一番 大変… つらかったですか?