2人きりになりたいときも、こう。
◆なるほど~!
夢の家を
イメージして。
◆誰もが小さいときに秘密基地とか、
ツリーハウスとか、憧れるじゃな
いですか、
小さいときに。
◆子どものころから憧れだったツリーハウス。
それを10分の1ほどの
ミニチュア作品にして
一つ一つ手づくりしている西田さ
ん。
工房で作業を手伝っている
85歳の渡辺さんは、
なんとボランティアで参加してい
るんです。
◆何でボランティアで手伝ってお
られるんですか。
◆散歩に来られたんですよ。
散歩に来られて、
おい何やっとんねんという話にな
って、
そのうち、いろんなことをやらさ
れて。
細かい部品つくりをやっていただ
いているんです。
◆散歩から気がつけば、ここで
こんなまさか。
職人のようになるとは。
ここ働きに来るの
に、あの前の坂、あれ、
なかなかのもんじゃないですか。
ここまでの坂道。
◆ああ…。
帰りが楽やろ?
◆帰りは楽やけど、
行きは、なかなか…。
これほんなら、
やらしい話、お給料とか、そうい
うのは
出てないわけですか。
◆渡辺さんはボランティアですから。
◆ボランティアね。
渡辺さん、たまには、ちょっと
小遣い、欲しいなあとか、思いま
せんの?
◆もうそれ過ぎたがな。
◆もう過ぎましたか。
仕事はもともと?
◆グリコに勤めてたんですよ。
◆グリコ!
◆新製品をつくる機械を開発するという部署から
仕事を始めたんです。
◆グリコの社員さんということは、
渡辺さん、
給料もらってもいいんじゃないですか。
グリコの社員…。
◆今は退職したんですよ。
◆グリコでそういう機械の仕事を
しながら、
何で、こういう木工は…?
趣味で?◆ものづくりが
昔から好きだったんで、学生のこ
ろから
ヨットをつくったりですね。
◆西田さんは22歳のとき、1人でヨットの建造を始めてしま
うほど
ものづくりが大好き。
奥さんの真知子さんとは、
ヨットの仲間を通じて知り合いました。
そんな2人が結婚式の会場に選ん
だのは、
西田さんが製作中の未完成のヨッ
ト。
◆髪型も余り変わってない。
でも、男前やなあ。細いし。
奥さんは、これは喜んでたんです
か。
それとも…。
◆いえいえ、女房が一番楽しみにしてました。
普通のそんな結婚式なんかする必
要ないというような考えの
人だったんで。
◆結婚式のときは船体の一部しかできていなかった
西田さんのヨット。
完成したら奥さんと
旅に出ることを約束したそうです。
◆夢としては、
どこ行こうというのが夢やったん
ですか。
◆海外が長かったんですけれども、
日本もいいところがあるよといって、
日本のいいところ、
港めぐりしようなと…。
そんなことを。
◆海外が長いというのは。◆あの、
◆グリコの海外進出に巻き込まれ
たといいますか、
中国のプロジェクトに巻き込まれ