>>タマちゃん!
>>こうした事態を受け、
世間では次第にタマちゃんの身を心配する声が高まっていった。
>>毎日、連夜ですね。
タマちゃんを保護しろ、
保護しろという大きな反響という
のはありました。
>>そう語るのは、
当時、地元で結成されたタマちゃんを見守る会の会長、相澤さん。
餌の魚が少ない川で生きられるの
か。
人間に危害を加えられないか。
保護して、
元いた海に帰すべきでは?そんな
意見が連日のように寄せられてい
た。
>>見てるかぎりでは、どんどん
どんどん脂肪が減ってきてますし
、私はすぐにでも保護すべきだと
思ってますね。
>>しかし、
もちろん川に野生のアザラシが出
没するなど想定外。
当時の日本に、アザラシを保護す
る法律など存在しなかった。
そこで、国の行政機関と地元自治
体の間で、
タマちゃんをどうするべきかの対
策会議が行われた。
>>市民からのタマちゃんを保護
しろとの声が後を絶ちません。
>>なんとかならないですか?
>>でもアザラシを保護していいという法律がない以上なぁ。
>>このとき、一番のネックにな
ったのは、
どこが責任を持ってタマちゃんを
捕まえるのかということ。
>>ではどうするんですか?
このまま放っておくんですか?
>>じゃあ、
おたくが責任持って保護しなさいよ。
>>そんなことをして、もしタマ
ちゃんに何かあっても、
うちは責任負えませんよ。
>>それはうちも一緒でしょ。
>>どこの行政も、
悪者にはなりたくないと、誰が責任を取るんだということに関して
、
非常に腰が重かったです。>>国民的アイドルのタマちゃん
に、万が一のことがあったら責任
を取れない。議論は平行線をたど
り、結局、温かく見守るという、
ふんわりした結論に。
>>せめて保護してもいいという
法律があればですね、
安心をしてられますけれども、そ
の保護ということ自体が不明確な
ので、
捕獲につながるのではないかと、私としては非常に不安を感じまし
た。
>>そんな不安の声に応えるよう
に、
環境省は翌年・2003年4月から、鳥獣保護法の改正を発表。
法が施行されれば、
アゴヒゲアザラシを許可なく捕獲することは禁止されることに。
>>法律が出来たことによって、
本当に安心をしました。
>>これでタマちゃんが危険にさ
らされることはない。
そう思ったやさき、事件は起きた
。
>>法律の改正により、
安全が保障されたと思われたタマちゃん。
しかし。
>>会長、会長!大変です、会長!タマちゃんが、タマちゃんが。
>>どうしたんだ、
そんなに慌てて。>>早く川まで来てください。
>>そう言われて、慌てて川へ向
かうと。
>>一体どうしたっていうんです
か?
>>タマちゃんが、タマちゃんが
捕まえられちゃう。
>>やめろ!
>>そこにはタマちゃんを無理や
り捕獲しようと、
川に入るダイバーの姿が。
これがそのときの映像。
捕獲を試みたのは、
アメリカのダイバーに協力を依頼
したある動物愛護団体。
アザラシの捕獲を禁止する法律改
正は1か月後、その隙間を狙った
強硬手段だった。
>>本当にね、ふざけるな、何や
ってるんだというような強い感情
を覚えました。
>>やめなさい、君たちは何をし
てるんだ、そこで。
一体何をしているんだ?