あっ…。
ありがとう。
(夕子)行って!
(賢治)はい。
(夕子)キャビネットは!
私が 奥に ずらしとくからさ。
うん。 じゃあ。(夕子)おい!
折り畳み傘。
もう 忘れんなよ。
はい。
<料理に ケチをつける くず夫に言ってやった>
(夕子)できたよ。
(賢治)また 野菜炒め?
だって キャベツが
安かったからさ。→
でもね 味付けを
いつもと 変えてみたんだ。
あっ そう。
ジャジャーン。塩を いいものに 変えてみました。
(賢治)ふーん。
いただきます。
(夕子)どう?
(賢治)どうって?
だから 味付け どう?
普通。(夕子)普通?
(賢治)今日 これだけ?
他に ないの?
(夕子)お魚も あるから
ちょっと待ってて。
(賢治)肉 ないの? 肉。
(夕子)えっ?
何で 肉じゃないかな?
俺が 仕事で 疲れてるの知ってるよね?→
肉 食べて 精 つけてほしいって
何で 思わないかな?
ごめん。
(賢治)お前 昔から→
ホント そういうとこ
気が 利かないよね。→
友達に 言われない?
そんなんで 友達付き合い→
ちゃんと できてんの?
(夕子)でも 今日の ブリは→
かなり 脂が 乗ってて。
(賢治)でも 魚だろ?
俺は 肉が食いたいの 肉が。
いいよ。じゃあ 今から 買ってくる。
(賢治)うん。 買ってきてよ。
(夕子)えっ?
(賢治)早く 買ってきてよ。
(夕子)本気で 言ってんの?
言ってるよ。 豚肉で。
(夕子)豚肉?
何してんの?
早く 買ってきてよ。
♪♪~
(夕子)えっ?
(夕子)はい。
(賢治)遅いな。 作るのにいつまで かかってんの?
これ 冷めたから いらない。
下げて。
(賢治)早く 下げてよ。
おいしいでしょ?ちょっと 油 変えてみたんだよね。
ねえ? 聞いてるの?
(賢治)何だよ?今 食べてるの。
(夕子)「しょうが焼き
おいしいでしょ?」って 聞いてるの。
普通。
(夕子)えっ?
普通だよ 普通。
普通なわけ ないでしょ。(賢治)何? 褒めてほしいの?
そういうわけじゃないけど
もっと 言い方って あるでしょ。
俺さ 嘘 つけない
タイプなんだよ。
普通だから 普通って
言っちゃうんだよ。→
つうか 褒めてほしいなら
もっと 頑張れば?
(賢治)お味噌汁 お代わり。
ああ。 言っとくけど→
おいしいから お代わり
するわけじゃないから。 ただ単に→
喉が 渇いただけなんで。
(夕子)はい。
ああー。
やっぱ 普通。→
ああ。 普通でも ぎりの 普通な。
(賢治)んっ!?
(夕子)普通 普通 普通って
さっきから うるせえんだよ!
(賢治)えっ!?
(夕子)お前の 言うこと→
いちいち ムカつくんだよ。
確かに→
超 おいしいわけじゃ
ないかもしれないけど→
お前のために こっちは
毎日 毎日 一生懸命→
作ってるんだよ。