携帯電話の充電もできず
万一のときの不安を
強く感じたといいます。
≫北海道全域での大規模停電は
物流にも深刻な打撃を与えました。
道内大手の運送会社では
地震直後から
600台のトラックのほとんどを
止めざるをえなくなりました。
信号機が止まったことに加え
製油所も停電でポンプが動かせず
給油できなくなっていました。
きのう、出荷を再開。
しかし、運びきれなかった
荷物が山積みとなり
新たな集荷を
受けることができずにいました。
≫物流が止まったことによる
打撃は生産者にも。
この農家では
地震から3日目となる、きのうも
運送会社に
集荷を断られていました。
≫収穫の最盛期を迎えた
とうもろこしは出荷できず
傷み始めています。
≫影響は道内最大の札幌中央卸売市場にも。
競りにかけられていたのは
ほとんどが物流が止まる前に入荷したものです。
≫物流が滞る影響は札幌市の
都市部も直撃していました。
電力が復旧したあとも
多くの店舗で通常営業ができずにいます。
店にあった食材だけで
営業を再開したラーメン店などに
外国人観光客が殺到していました。
≫さらに、大規模停電の影響は北海道にとどまらず
全国へとおよぶリスクが
あったことも見えてきました。
北海道にある
日本最大級のデータセンターです。
今回の停電で一時的に
一部のデータ供給が
停止していました。
≫自家発電への切り替えが追いつかず
ここのサーバーを利用する
フリマアプリの大手企業でも
サービスが一時使えなくなる
障害が起きました。
このデータセンターは
全国にある40万もの企業や
官公庁などの
膨大なデータを扱っています。
仮にサーバーすべてが
ダウンすると
日本の広範囲に
打撃が広がるところでした。
もともと、この会社は
災害が少ないことなどを売りに
北海道に巨大サーバーを
設置しました。
きのうの午後には
通常の電力供給に戻りましたが
再び停電が発生する事態に備えて
今も警戒を続けています。
高橋≫本当に暮らしはもちろん
さまざまなところで綱渡りの状況が
続いたということなんですね。
では、取材に当たった
科学文化部の重田記者に
聞きます。重田さん、今回は地震の揺れで緊急停止したのは
1か所の発電所だった。
それがなぜブラックアウトにまで
なってしまったんでしょうか。
重田≫まず電力需要の半分を
1つの発電所でまかなうという
このいびつな状態が背景にありました。
そして、ブラックアウトの
鍵を握っていたのが
周波数です。周波数が乱れると
ほかの火力発電所のタービンが
壊れてしまいます。
そのため
周波数を一定に保つことが
極めて重要なんです。
身の回りでも周波数が乱れると
洗濯機や電子レンジなど
モーターのある家電や精密機器が
壊れる可能性があります。
この周波数
常に一定に保つために欠かせないのが
発電量と消費量の
バランスなんです。
高橋≫これが
今、注目されてますね。
重田≫まず、東日本では
周波数は50ヘルツを
基準としています。
発電量と消費量を
同じ量にしておかないと