産まれたジャイアントパンダの赤ちゃん。
きょうから一般公開が始まります。
赤ちゃんパンダを一目見ようと、
開門前から多くの人が集まってい
ます。
午前10時です。
開園と同時に、
皆さん走って、
われ先にと赤ちゃんパンダのほうへと向かっていきます。
>>そして。
ついに一般公開が始まり、
お母さんパンダは、
黒い模様がはっきりしてきた赤ちゃんの顔や背中をなめてあげたり、
大切そうに抱き寄せたりしていま
した。
>>かわいかったね、
ちっちゃくて。なんかこんな感じ。
>>パンダは見えましたか?
赤ちゃんパンダ。
>>見えへんって、
怒ってました。
>>産まれたときの体重のおよそ
10倍にまで育った赤ちゃんパン
ダ。
しかし、ここまでは苦難の連続で
した。
お母さんパンダの良浜は、
これまで8頭の子どもを育ててき
ました。
現在、
白浜にいる子どもは、
今回の赤ちゃんを合わせて4頭。
4年前に産まれた双子の桜浜と桃浜。
好奇心旺盛な結浜は、もうすぐ2
歳になります。
そして、
赤ちゃんのお父さんは、
あす26歳の誕生日を迎える永明。
人間でいうと、70代後半という高齢ですが、
自然交配した世界最高齢のパンダ
として、ことし4月、
再び交配に成功。
しかし。
>>可能性としては死産、
流産も考えられる。
>>その可能性もやっぱりあんね
ん。
>>そんな厳しい状況を、お母さ
んパンダの良浜は、
飼育員と共に乗り越え、なんとか、
先月14日に出産したのです。
ただ。
>>75グラムしかありません。
>>75グラムかぁ。
>>体温が低いらしいんで、手で温めています。
>>体重は白浜で過去最も小さく、
平均の半分近い75グラム。
体温を保てず、
すぐさま保育器に入れられますが、
小さすぎて母乳も飲めない状態で
した。
パンダは母乳からしか免疫が得ら
れないため、
産まれてすぐに母乳を飲まないと、
死んでしまうのです。
>>飲め、
飲め。
お口が動いた。
>>おー、飲んでる、
飲んでる。
>>こうしてようやく、
お母さんの良浜のもとへ。
台風21号が近畿地方を通過したときも、
良浜は、
激しい雨と風の音が響く中、赤ちゃんをしっかりと抱き、
母乳を与えていました。
そしてきょう、
赤ちゃんパンダは体重が10倍近
い731グラムとなり、
一般公開となったのです。
>>本当にね、
飼育チームの皆さん、やっとの思
いで、
きょうの公開にこぎ着けたという
ことなんですが、
ここからは飼育チームのリーダー
の遠藤さんに、お話を伺いたいと
思います。よろしくお願いいたし
ます。
>>よろしくお願いします。
>>やはり小さく産まれたということで、育てるのには、
どんな苦労がありましたか?
>>良浜抱かせていると体温が下がってしまうので、保育器に預か
って、スタッフが面倒を見ていた
んですけれども、その中でも、
保育器の中でも体温が低下してし
まうことがあったので、
人の手で温めて、
囲ってあげて、体温を維持していくっていう、懸命な作業がありま
した。