これを出したのに。
≫いや、洗濯しなきゃ、毎日。
樹木≫いいのよ、私１足で、ずっと１か月やるのよ。
やだー、そんな、もったいない。
あんなに足袋を染めることないのになー。
木寺≫自分で染めたんですか？
樹木≫染めるっていうかさ自分のいらない足袋を。そしたら
新しい足袋、あんなに染めて。
≫いえ…あの、会社のですから。
樹木≫会社のもどこのもないの！
白石さんだっけ、岩崎さんでしょ白石さんでしょ。
じゃあ行きます。
樹木≫まあ、これで見るとちょっと分かりやすいかな。
こうなってるんだよね。
≫最後、のっかるまげの位置は高い位置？
樹木≫それ見てごらんよ
私に聞かないで、あなた。
自分で感じて。
私は分かんないんだから、後ろは。≫はい。
樹木≫大丈夫よ。
責任、持たせるようなことしないから。
これこれ…。
これね。あ、なってる、なってる。
うーん、なってる、なってる。
いいね、この、しわが。
私、こういうの好きなんだけど
みんなあんまり好きじゃないみたいね。
伸ばそうとするけどさ
せっかくできた、しわだからさもったいないじゃない。
この間
なんにも硬いものがないとき…。
このころ、希林さんの体調は
問題がないように見えました。
樹木≫ほら、似てるでしょ、ね。
≫こちらのほうが慣れて…。樹木≫いやいや
そっちのを使って。私、出すとね
忘れてっちゃうから
持って帰るのを。
樹木≫ちょっと持ってきたわけ。でも、いい刺し子のね。
まるで自宅の台所に
立っているかのような希林さん。
日々の暮らしで得た実感を
大事にしながら
役作りをしていました。
池谷≫あら、いい匂い。
木寺≫生きていく努力？
樹木≫うん。
≫ありがとうございます。
あ、え…！
これをどうやって
車に載せられたんでしょうか。
よく降ろせましたね、これ。
樹木≫うっ！って…。≫重いのに…。
樹木≫そうでしょ。
木寺≫ガムテじゃないですか？それ。
樹木≫ここが腫れちゃって。
ね、こんなことしてんのよ。
どうもありがとうございました。
ごちそうさま。皆さん、おはようございます。
≫そうなんです。
きょうでマックスです。
≫はい、いきまーす。
よーい、はい。
樹木≫きょうは、どちらへ？
希林さんが演じる妻は
偏屈な夫に文句を言いながらも
寄り添い続けます。
樹木≫はい…。
きょう、お客さん見えますからね。ちゃんとしてくださいね。
山崎≫してるだろ。
樹木≫その髪…。
とかしたらどうやろね。
寝起きのまんまじゃかっこ悪い…。
山崎≫起きたときの
その日の髪形だろ。
樹木≫後ろ、切りまひょか、これ。
山崎≫人間、頭の真後ろが一番の急所だよ。
樹木≫はいはい。
山崎≫よくしたもんで長い髪がちゃんと保護してくれてる。
樹木≫そうですか、ねー。
希林さん自身も
破天荒なミュージシャン
内田裕也さんと
３０歳で結婚しました。
夫婦げんかが絶えず、すぐに別居。
しかし、離婚はせず
４０年以上不思議な関係を続けています。
希林さんは
もし夫の内田裕也さんと結婚していなければ
おもしを失い、別の人生を
歩んでいたかもしれないと
言います。
だから、あたしは世の中の出来事は、例えば保険金。
保険金が欲しくて
あるいは財産目当てで
男の人をどんどん
殺していくみたいな人がいても
ひと事とは思えないのね。
自分がちょっとしたことによって
そっちの道を