っていうふうに思わない。→
結構 残酷に ものを
言っちゃったりしますけどね。→
でも 傷ついたりするでしょ。
純粋培養で育っちゃうと→
社会 出てから
挫折すると まずいから→
私のところで
ずいぶん 傷ついても いいかな…。
それは たくましくなるよね。
(樹木)…ていうところもあって。
だから うちの子供を育てるときに一人っ子だったから→
例えば 何か ケーキでも→
何か おいしいものでも
あったときに→
はいって 出したあと
私が 一番 最初だからねって→
私が 最初に
取るようにしてたの。
これはね 人から見ると 何て親だ
って思うかもしれないけど→
はい 何ちゃん 食べなさい
っていうことは→
しなかったわね わざと。→
世の中 みんな 出たときにそんなに→
「あなたが どうぞ」というふうにはいかないっていう。
一人っ子だと それを学ぶのが遅くなるよね。
子供を育てるときに→
わざわざ この子のために買った洋服っていうのは ないのね。→
全部 使い回し。
Tシャツなんかは大人のを 肩上げして→
ここんとこ ミシンで
ずっと 縫って→
あとが
ダボダボ ダボダボしてるのね。
そうすると 娘が 勝手に
自分で 結わいて 着てるのね。
そういうような
生活ぶりだったですね。
そのころね ピンク・レディーとか
キティちゃんかな?→
みんな 何か はってある
っていうか デザインが…。
(是枝)キャラクターが
ついてるんだ。
そういうものが 嫌で。
無地 無地。
(YOU)分かる 私も。
(樹木)全部 無地。
ピンクとか そういうものを
買ってあげたことがないのね。
だから やっぱり 時々 娘 孫には
ピンク 着せてるみたいね。→
その反動で。
(是枝)反動で。
それもね ホント
気に入らなかったりすると→
「変なの」とか言ったりするの。
(是枝)孫に?(YOU)うん。
いろいろあってね
怒られちゃったんだよね この前。
(樹木)だから そういう
子供にとって→
これが カワイイんだろうとか
好きなんだろうとか思うのは…。
あんまり 過干渉でもね…。
やっぱり ああするべきだ→
こうしちゃいけない ああしちゃ
いけないっていうのの中からは→
人が育たないような気がする。
(是枝)希林さんはさ 役作りとかということを考えて→
現場に行くようなことは
ないんでしょ?
もう 何にも
なくなっちゃいましたね。
(是枝)それは もう出るから?
そういう 自分の生きてきたあれが 出ざるを得ない?
そうじゃなくて
役を作ると バレるから。
もう年が こうなっちゃったから
あとは 身一つで いこうと。
だから 私 あれが
掛かんないんですよね。 経費が。
自分が 行けばいい。
(阿部)自分で 全部ね。
マネジャー代わりやって。
電話も やられてるんですもんね。
例えば 今度 カンヌ 行くでしょ。
あなたは ヘアメーク連れていくの?
えーと 今 まだ分かんないです。
たぶん。
それ 自費で 連れてくんなら
しょうがないんだけど→
制作会社が それ出すんだったら→
出さない人の割り増し料金はどうなんのよ なんてね→
最近はね 人の経済まで
口 出すようになっちゃったの。→
みんな 制作の方は いい人だから
言われれば 「はい 分かりました」
はい 分かりました