どうやら 準備が整ったようだ。
この日集まったのは 総勢500人。
近隣の村からもたくさんの人々が駆けつけた。
さあ いよいよ 漁の開始。
激流の中で 魚を釣る人。
岸から 投網を投げる人。
皆 思い思いの方法で魚を取る。
おっ 岸から 何かを投げている。
仕掛けは 実に単純。
糸の先におもりと針をつけただけ。
餌は要らない。
大物がかかったようだ。
独特のしま模様と平たい口。タイガーシャベルノーズ。
彼らも こんな上流に
やって来ていたのだ。
ナマズの肉は すごくおいしいらしい。
これは 大物。
赤い尾ビレのピララーラも。
大漁だ。
取ったナマズは その場でさばかれ
塩漬けにされる。
小魚たちは 手でさばいていく。
そして 岩の上に きれいに並べて天日干しにする。
これから半年間の
貴重な たんぱく源だ。
家族総出で魚取りに興ずる人たち。
村人にとって乾季に遡上してくる魚たちは→
まさに アマゾンの恵みなのだ。
もう一つ 乾季ならではの伝統的な漁を行っている村がある。
狙うのは 巨大な魚。
この時期に行う漁で1年の生計を立てているという。
道具は 鋭い銛。
銛を構え 音を立てないように慎重に カヌーを進めていく。
大きな水しぶきが上がった。
ピラルクーだ。
世界最大の
ウロコのある淡水魚。
成長すると 2メートルを優に超える。
いかにも硬そうなウロコ。
ピラルクーは 1億年の時を
生き延びてきた古代魚。
独特の習性を持っている。
ピラルクーは 魚でありながら肺を持っている。
水面から口を出し
空気を吸っているのだ。
♪♪~
ピラルクーが呼吸をするのは20分に一度。
♪♪~
水面に顔を出す一瞬を待つ。
♪♪~
見事! 命中。
暴れるピラルクーに
カヌーが引っ張られる。
周りにいた仲間の漁師が
集まってきた。
仲間が とどめの銛を投げ込む。
♪♪~
一人が ピラルクーを捕らえると→
みんなで協力するのがこの村の習わしだ。
格闘の末
ようやく しとめたピラルクー。
体長1.5メートル 重さは30キロ近い。
♪♪~
この村では 乾季の半年
肉を売って収入を得て→
雨季は漁をしない。
ピラルクーの繁殖期にあたるからだ。
ピラルクーに捨てる所はない。
取り出しているのは舌。
骨で出来ていて
表面には無数の突起がある。
木を削るヤスリにもってこい。
伝統的な漁を守り続ける人々。
自然と共に生きる知恵が
今も しっかりと息づいていた。
太古の巨大魚が生きるアマゾン。
その濁流には更に大きな魚が潜んでいるという。
100年前の探検記に登場する
伝説の巨大ナマズ→
ピライーバだ。
アマゾン最大の魚 ピライーバ。
ピライーバを取る事は
昔から地元の男たちの→
大きな誇りでもある。
商業目的の漁が禁止された今も→
名誉を懸けて巨大魚に
挑み続けている男がいる。
餌は 魚を丸ごと一匹。
針も また巨大だ。
この川で生まれ育ったフォンセッカさん。
ピライーバ釣りに人一倍情熱を燃やしてきた。
釣り始めて5日目。
強い当たりが来た。
強烈な引きに
ボートが引きずられていく。
力と力の勝負だ。
♪♪~
サメのような巨体が姿を現した。
大人2人でやっとの事で持ち上げた。
重さは なんと90キロ!