(ナレーション 水澤つるぎ)<昔から ずっと→
誰かと誰かを出会わせるために
電車は走ってる。>
< だから
電車に乗っていれば きっと→
探している誰かに会えるはず。>
< そこが未来でもあるいは過去だとしても→
電車は今日も
ガタンゴトンのリズムに乗せて→
僕を運んでいく。>
<夢みた場所へあなたのいる街へ。>
♪♪~
周一郎さん お元気でしょうか。→
私は もうじき視力を失います。→
まだ目が見えてくれているうちに見たいもの→
それを考えていました。→
2月の朝焼け→
台風が通り過ぎたあとの青空→
どしゃ降りの雨の中の田んぼ。→
そういうことを
いろいろ考えていたら→
周一郎さん→
不意にあなたの顔が浮かびました。→
あんな別れ方を
してしまったのに→
それでも私は今→
あなたに とても会いたい。
≪こんにちは。
俺 結婚式場 来たん初めてやわ。
なあ じいちゃんは
どんな結婚式 挙げたん?
(神崎周一郎)聞かないでください。
何で?
僕だって いとしい人と→
永遠の愛を誓いたかった。
けれど あんな恐ろしいことが
起こるなんて。
≪死んでやる!
≪ガシャン!
≪私を愛してるいうんは
うそやったん?→
何で よりによって今日なん?
きれいなお嫁さんになるのんだけが→
私の夢やったのに!
嫌や 死ぬ。→
今日 ここで死んでやる!→
誰か毒薬持ってきて それか練炭!
(えり)そんなん ありませんよ。
ちょっと落ち着いてくださいさあ…。
あっ えりさん。
あの式場の制服着てる人?
えっ?
さっきのお姉さんと同じ顔やん。
お久しぶりです えりさん。
それが あんたの答えなん?神崎君?
(えり)ほんまに あんたやんな?→
ちょうど あんたのこと考えてたとこや。
受付に
新郎とつきおうてたという女が→
今 5人来てて
参列させろて騒いでるねん。→
こういうの得意やったでしょ
神崎君。
こういうのとは…。
本日は お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
(えり)ありがたくはないけどな。
ですね。
たくさんの女性を
好きになってしまうことは→
しかたのないことです。
女性というのは→
みんな違っていて
みんな すてきなものです。
しかし 1人の人と添い遂げると
決めたならば→
命懸けで きちんと
お別れしなければなりません。
これは
きれいにお別れできなかった→
あなたの責任です。
彼女たちは とても傷ついた。
あなたも それに見合う傷を→
与えられるべきです。
彼を殴りなさい。
気が済むまで殴りなさい。
全員で さあ。
ガタッ!
何が1年記念や。
パン!
慰謝料 払え!
ドカッ!
痛っ!
細い女ばっかりやんか~!
裏切り者!
うわ!
病気やったんちゃうんか~!
痛い痛い 痛い。
≫あほ!
ひどい 見てられへん。
あのときと一緒や。