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2019/01/06(日) 21:10〜22:00 NHKスペシャル「サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む」[字]


そこから 西側には→
ガウディが

何を作るつもりだったか推測して→
秋の草花の芽を彫りました。
屋根を飾る この色鮮やかな彫刻もガウディの思いをくみ取った作品です。
「カゴに盛られた果物」という
ガウディの言葉をヒントに→
果物は「神がくれた知恵の豊かな実り」と
解釈し 色鮮やかに仕上げました。
世界遺産 サグラダ・ファミリア教会。
その入り口の門の脇。
柱の根元に ガウディが最初に作った→
カメの彫刻があります。
「カメのように ゆっくり休まず→
教会を作ろう」というメッセージが込められています。
こんにちは。 私は もう ここで→
100年以上 サグラダ・ファミリアの建設を見てきたのよ。
私がいるのは 教会の東側。
生誕のファサードと呼ばれる正面です。
ガウディが作った ただ一つの建物なのよ。


近くで ご覧なさいな。 すごい数の彫刻。
イエスの誕生を描いているの。
楽器を奏でる天使はガウディの後を継いだ 外尾さんの作品。
聖母マリアの上に垂れ下がる
大きな雪の彫刻。
全部が石で作られた すごい技。
この辺りで地上80m。
塔のてっぺんは ガラスやタイルで彩られ
聖なるつえを表しているんですよ。
今度は 教会の地下に行きましょう。
ガウディが完成させた礼拝堂。
地下なのに
お日様の優しい光が降り注ぐの。
この奥に ガウディは眠っています。
ガウディが サグラダ・ファミリアの建設を始めたのはね 31歳の時です。
当時のバルセロナは 産業革命で
とても栄えていました。
でもね 貧富の差が広がって
労働者の生活は そりゃあ厳しかったの。
そんな社会への不満で
爆弾テロまで起きたのよ。
ガウディは そんな世の中を悲しく思い→
貧しい人も分け隔てなく癒やされる教会を作ろうと決めたんです。
建設資金を集めるためにね→
募金を募り 自分も全財産を寄付したの。
教会の小さな部屋に住み込んで
仕事を続けたのよ。
サグラダ・ファミリアの建設は
そんなガウディの思いを継いで→
130年以上も続いてきたんです。

おはようございます。
イエスの塔を任されている 外尾さん。
ガウディの願いは何なのか。
かつての仕事を振り返っていました。
ガウディが作り 外尾さんが修復したこの青年の像。
実際に起こったテロ事件を モデルにした
爆弾を持った像です。
修復前は 内戦で破壊され→
顔も手も爆弾も失われていました。
なぜ ガウディは
テロの犯人を教会に飾ったのか。
どんな表情に彫ればいいのか。
悩んだ外尾さんは 破壊される前の写真を見るうちに あることに気付きました。
後ろからは これね。
この 本当に ちっちゃな男の手があって→
悪魔の手が 爆弾がある。
あっ この男はつかんでないなというのが 分かるのね。
青年の手は
悪魔が差し出す爆弾を つかんでいない。
外尾さんは 青年が→
まだ悪の誘惑に負けていないと受け止め→
爆弾に触れそうで触れない手を
再現しました。
そして顔には 悪人の表情ではなく
苦悩する表情を彫りました。
ガウディは
まだ 爆弾を投げない可能性を秘めた→
その希望を 常に忘れていない。
人間には もう一つの道があるんだ。
小さな希望を絞り出すこと。

その勇気が実は 人類全体の希望に生まれ変わる。
ガウディは
すごい希望の贈り物を託してくれた。
イエスの塔にも
ガウディは 希望を託したはず。
それをどう表すか。
外尾さんの挑戦です。
この場所に建つ 地上172mのイエスの塔。
内部の巨大な空間を外尾さんは どうデザインするのか。
唯一 見つかった手がかりは
教会の断面図。
しかし 塔の内部は描かれていません。
外尾さんは ガウディが イエスの塔と名付けたことこそヒントだと考えました。
普通 教会の中には
十字架やイエスの像が飾られています。
そこで人々は 神の子である
イエスの存在を感じ 祈りをささげます。
しかし ガウディが
イエスの塔と名付けた特別な場所。
塔全体で イエスの存在を感じる

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