なんと 130年以上も建設が続いている→
摩訶不思議な建物。
スペイン・バルセロナの世界遺産です。
去年10月 中心の塔の建設が
いよいよ始まりました。
塔の名は イエスの塔。
完成すれば サグラダ・ファミリアは→
世界一高い教会になります。
設計したのは 93年前に亡くなったアントニ・ガウディ。
建築家人生の大半 40年以上を→
この教会の建設に懸けました。
しかし 生前に出来上がったのは→
全体構想のほんの一部でした。
ガウディが残した
たくさんの模型や建築資料。
これらを基に 建設を続けてほしいと
完成を後世に託しました。
しかし 10年後 スペイン内戦が勃発。
建築資料のほとんどが失われました。
残りの建物を どう設計するのか。
中の装飾を どうするのか。
多くが謎に包まれました。
後を継いだ弟子たちは→
ガウディの言葉や
壊れた模型の破片など→
僅かな手がかりを頼りに
建設を続けました。
それから 100年近くをかけ→
少しずつ サグラダ・ファミリアを築き→
ついに そのシンボル
イエスの塔の建設を迎えたのです。
この大プロジェクトの
成否の鍵を握るのは1人の日本人。
塔の内部の装飾を任された→
外尾悦郎さんです。
唯一の手がかりは
奇跡的に見つかった この断面図。
しかし 肝心の塔の内部は→
描かれていませんでした。
塔の謎に挑む
外尾さん。
試行錯誤が続きます。
ついに ガウディの謎を解く手がかりが見つかりました。
別の教会の地下から ガウディが残した
膨大な資料が発見されたのです。
その数 なんと6,000点。
天才建築家 ガウディの傑作サグラダ・ファミリア教会。
イエスの塔を任された外尾さんは
ガウディが残した謎に どう挑むのか。
初めて 明かされる
世界遺産建設の舞台裏です。
スペイン・バルセロナ。
サグラダ・ファミリアは 着工から137年→
今も建設が続く世界遺産です。
ガウディの没後100年となる2026年の完成を目指しています。
去年の春 教会の中心に建つ塔の建設が
始まろうとしていました。
ガウディの時代から
これまでに8本の塔が完成。
更に 10本の塔が
ガウディの構想を基に→
これから 建てられる予定です。
その中心 イエスの塔は高さ172m。
完成後は
世界で一番高い教会になります。
地上80mの建設現場です。
塔の土台作りが始まりました。
世界一の教会を築く 巨大プロジェクト。
世界中から それぞれの分野の専門家が集まりました。
塔の内部をデザインする
芸術工房の監督は→
日本人の彫刻家 外尾悦郎さんです。
ガウディは どんな空間を生み出したかったのか。
外尾さんは それを
ずっと考え続けてきました。
外尾さんの工房は
サグラダ・ファミリアの一角にあります。
ここで 2人の助手と
イエスの塔の構想を練っています。
タタ~ン。
こんなのNHK出したら大変だよ。
外尾さんは 25歳の時
ヨーロッパに腕試しの旅に出て→
サグラダ・ファミリアと出会いました。
俺にも 一つ 石を彫らせて欲しいと頼み込んだのが始まりでした。
それから 40年余り。
サグラダ・ファミリアで彫り続け→
これまでに 300を超える彫刻を
制作しました。
いつも 残された僅かなヒントから→
ガウディなら こうしただろうという答えを見つけ 作品を作ってきました。
外尾さんの最初の大仕事は
サグラダ・ファミリアの西側を飾る→
この植物の芽の彫刻です。
図面はなく ガウディが東側に作った彫刻に→
ヒントを求めました。
そこに 外尾さんはこの教会の永遠の成長を願う→
ガウディの強い思いを感じ取りました。
外尾さんは この東側の彫刻が何の植物か徹底的に調べます。
そして 春の草花の芽だと突き止めました。