(チャンカワイ)そこですか?
(大島)ぎこちない笑顔ですけど。
(チャンカワイ)上月先生。
先生は 多くの腎臓病を患ってる方々に→
今 ポーンと光明を与えていらっしゃいます。
先生 どのようにして…→
常識だったものを ひっくり返すまでの道のりをご覧下さい。 どうぞ。
東北大学 教授の上月正博さんです。
慢性腎臓病の研究を長年続けその功績は 世界的に有名なんですって。
先生が去年 受賞した ハンス・セリエ賞。
心臓や腎臓の研究分野で多大な業績を残した人にだけ 贈られるんです。
上月さんが選ばれた理由の一つが→
腎臓を守るワザの発見。 それこそが…
…とも言える大発見だったんです。
それが こちら。
「exercise」! そう 運動です。
でも そもそも運動って腎臓に負担をかけるんじゃなかったの?
実は上月さん 20年以上かけて
この常識を検証し続けてきたんです。
こんにちは。 お加減いかがですか?
実は 上月さん自身も 20年前までは患者さんの運動を制限していました。
しかし ずっと
ある悩みを抱えていたのです。
腎臓を守るため
体を動かすことを制限される患者さん。
それにより 筋肉が衰えてしまい
寝たきりに つながってしまうなど→
問題を抱える人が
少なくありませんでした。
実は健康な人でも 運動すると
尿にたんぱくが混ざることがあります。
そのことから 運動自体が腎臓に
負担をかけると考えられてきました。
大きなたんぱく質が
尿に混ざるということは→
タコ足細胞が 上手にろ過を
できなくなっている証拠だというんです。
そこで上月さんは
過去の世界中の研究を確認。
しかし 運動が腎臓に悪いということを
明確に示した研究は→
ついに見つけることができませんでした。
(チャンカワイ)はあ 盲点だったんだ。
では 自分がやってみるしかない!
そこで まず動物を使って実験。
運動させたラットと そうでないラットで
腎臓の働きを調べると→
なんと 運動させたほうが→
腎臓へのダメージが少ないことが分かったんです。
(大島)すごい うれしい発見。
運動なんです。
上月さんは 論文にする前に
親しい研究者などに成果を伝えました。
しかし 周囲の反応は
さんざんなものでした。
(大島)偉業を成し遂げるって大変だ。
でも 上月さんは諦めませんでした。
実験を繰り返し 論文にまとめて発表。
運動をしたほうが腎臓へのダメージが少ないことを→
世界に先駆けてデータで示したのです。
更に 上月さんがすごいのは ここから。
なんと 知り合いの医師に
運動器具を配布。
自分たちの患者に 運動を試しに
やってもらうよう お願いしたんです。
地道な活動を続けること およそ20年。
(麻木)何 これ!
上月さんの取り組みは
周囲の医師たちにも理解され→
今では 少しずつ
運動を始める人が増えてきました。
そして 去年6月 上月さんは→
これまでの研究をもとにガイドラインをまとめました。
ここには
運動は制限されるものではなく→
治療として行うべきものであると
はっきり書かれています。
上月さんの20年間の取り組みが実を結び
発行された このガイドライン。
それは 腎臓病の常識が180度転換する
大きな出来事だったのです。
う~ん! すごい。
すごいです。
それでは 先生ご自身に
ご登場頂きましょう。 どうぞ!
東北大学医学部 教授
上月正博先生です。 ようこそ!
(拍手)
まず あの… これ 今まで長い間→
ダメだと言われていた運動を
させようっていうことを→
思われたってのは すごいことですよね。
実際…
マラソンをして?
はぁ~ なるほど なるほど。
たんぱく尿が出ることが
すなわち腎臓が悪いかというと…
運動を1日やってるわけじゃありません。
運動をしないほうがいいよと。
「強い運動」と言いたかったのは→