<中米 メキシコ第2の巨大都市 グアダラハラ>
<人口 300万を抱える
この美しい町で…>
<今から 25年前の
4月22日>
<その悲劇は 幕を開けた>
<突然 地下で連鎖的に 爆発が 発生>
<わずか 3分の間に
実に…>
<1万5,000人が
家を失う 大惨事となった>
<いったい なぜ こんな悲劇が
起こってしまったのか?>
<そこには
われわれ 日本人にとっても→
決して 対岸の火事とは いえない
ある恐怖が 潜んでいた>
<その日 グアダラハラで→
トルティーヤ店を営む 女主人ソコロ・リオスは→
妹と いつものように
商売に 精を出していた>
<ここ 数日
4月というのに→
気温は 30℃を超える
夏日が 続いていた>
<だが 異変は
それだけでは なかった>
(妹)ねえ?
(ソコロ)ええ。
<彼女の店は 多くの
買い物客で にぎわう→
ガンテ通りに 面していた>
<実は 2日ほど前からこの周辺で→
異臭騒ぎが 起こっていたのだ>
<店では トルティーヤを焼くのに ガスを 使用していた>
<老朽化が 進んでいたこともありガス漏れを 心配した 彼女は→
すぐに 点検を依頼したのだが…>
<しかし 異変が 起きているのは
この地域だけでは なかった>
<彼女の店から
1km 離れた 場所で→
配管工が 奇妙な光景を
目にしていた>
(男性)うん?
(男性)うん?
<さらに…>
<少し 離れた 住宅街でも家の中に 異臭が 漂い始めた>
<いったい
原因は 何なのか?>
(嗅ぐ音)
<水道水から 漂っていたのはガソリンのような においだった>
<実は この 10年ほど前>
<グアダラハラ市 郊外で爆発事故が 発生>
<数名の ケガ人と
38棟の建物が→
倒壊する 事態が
起こっていた>
<さらに…>
<わずか 1年前にも…>
<マンホールが 吹き飛ぶ
爆発事故が>
<原因は 郊外にある
製油所から 漏れだした…>
<その事業者は 当時 世界で
9番目の 規模を誇る…>
<住民らの 通報により
水道局の職員が 現場に 到着>
<下水道の調査を 行った>
(一同)はい。
<すると…>
(警告音)
(職員)おい。
(職員)すぐに 住民を避難させるように→
手配してください。
<なぜか 市は水道局の訴えを→
真剣に 取り合おうとは
しなかった>
<だが このとき すでに→
悲劇への カウントダウンは始まっていたのだ>
<いよいよ 強くなる 悪臭に
住民たちの不安は 募るばかり>
<中には 自ら 下水道に入り→
原因を特定しようとする者もいた>
<水道局は 原因を 究明すべく
下水道の水を 抜く一方→
大量の水を 投入し
洗浄を 行った>
≪(本部長)失礼します。
(市長)状況は? 本部長。
(本部長)異臭は
ひどくなる 一方です。→
住民たちが
騒ぎ始めています。
(市長)そうか。
(本部長)しかも…。
<一方 深夜になっても
住民が 見守る中→
ガスマスクを着けた
消防や 警察職員が→
調査を 続行していた>