♪♪~
おっ おっ これか?
あれ? 空っぽだ これ。
草刈さん また何か捜し物ですね。
あ~ あった あった!
何ですか? それ。
あ これね 明石焼き。たこ焼きみたいなもんですよ。
それを焼く道具なんですよ。
へえ~ 明石焼き。
おじさんが 昔くれたんですよ。
明石焼きには この銅が一番だって。
銅で できてるんですね。
いや~ それにしても これ黒くなっちゃったな これ。
福岡県の主婦 弓削香理さんの得意料理。
それは卵焼き。
おいしさの秘密は この銅の卵焼き器です。
銅だと やっぱり火力で ふわっと こう 膨らむというか。
何か料理してるっていう気持ちに。
わあ おいしそう。
娘さんが高校生の頃は 毎日のように
卵焼き入りのお弁当を作りました。
今は東京に暮らす娘さん。
帰るたびに この卵焼きをせがむのだそう。
銅の道具が生み出す母の味です。
娘が それを使って おいしい卵焼きをいつかできる家族にも作ってもらえたら→
こんなに うれしいことは ないなって
思います。
一流の料理人が こよなく愛する銅鍋。
職人が たたいて作る伝統の工芸品。
銅の道具は 使う人と共に年を重ね
その人生に寄り添います。
知られざる銅の世界をご案内します。
東京・広尾にあるフランス料理店。
厨房では仕込みの真っ最中です。
ずらりと並ぶ銅製の鍋。
大小合わせ 100個近くになります。
平松大樹さんは フランスの三つ星レストランで腕を磨き→
7年前 料理長となりました。
平松さんの料理には 銅鍋が欠かせません。
早速 ロブスター料理で銅鍋の実力を拝見。
銅鍋の最大の特徴は 熱伝導率の良さ。
熱の伝わりやすさは ステンレスの
なんと 24倍です。
均等に火が入るので
焼きむらができません。
焼きたての…
この銅鍋というのはすごく力強い便利な道具で。
高温で 僅か1分 火を通すだけ。
外側は ぷりっと 中は ジューシーに焼き上がります。
熱しやすく冷めやすいのも
銅鍋の特徴です。
丸い鉄板の下は 火のついたコンロ。
焦げそうになったら 火から外し熱を冷まします。
熱したり冷ましたり。
自在に鍋を操りながら思いどおりの料理を作るのです。
目にも鮮やかなロブスター料理の完成。
季節の野菜と合わせて召し上がれ。
今日 一つ目のツボ…
旬のフルーツで作るジャムには定評があります。
これからの季節 おすすめは りんご。
使うのは もちろん銅鍋。
りんごの実と グラニュー糖 皮を煮詰めて
取り出した赤い汁を入れ→
強火にかけます。
出来上がりです。
僅か5分で ジャムが出来上がりました。
長く煮れば煮るほど 香りも飛んでいって色みも くすみがちなので…
短時間で煮込むことで
色や香りを閉じ込める。
そこで役に立つのが こだわりの銅鍋です。
理想のジャムを追求するあまり→
ムラヨシさんは
特注で鍋を作ってしまいました。
鍋の厚さなんですけど
全て同じ厚さであること。
あと ちょっと地厚であること。
鍋の厚みは どこも1.5ミリ。
銅鍋は熱の通りが良いので→
底からだけでなく鍋全体で物を煮込みます。
そのため仕上がりに むらができません。
鍋の底の部分は 緩やかにカーブして→
ジャム液が スムーズに対流するように
作りました。
銅という金属の特性も フルに使います。
酸味を含むフルーツは銅鍋で煮ると色落ちしません。
銅から溶け出た銅イオンが
色止め効果を生むと言われています。
ムラヨシさんの色鮮やかなジャムは
この鍋があってこそ。
ちょっと放っておくと
何て言うんでしょうかね→
感情移入じゃないんですけど→
鍋が さみしくなるかちょっと いじけるのか→
さびが出てきてしまったりとか 「あ~
いけない いけない」みたいな感じで→
一緒に こう 料理と一心同体になって
作ってるような感じなんですよね。
道具というよりは 相棒みたいな。
銅鍋をただの道具と呼ぶなかれ。
まずは銅を磨きましょうかね。