本人の診察とは別に 両親と面談も行い→
時には親自身の生い立ちにまで
遡るのです。
…っていう特徴があって。
末っ子?
精神疾患のある子どもと家族が
どう生活を共にしていけばよいのか。
本人と親 それぞれに
アドバイスを行います。
更に 松田さんの病院には
デイケア施設が併設されており→
子どもたちの成長に合わせたサポートを
しています。
復学や就職などを目指す際の
ステップとして→
社会性や対人スキルを身につけるための
プログラムが組まれています。
この日行われていたのは 卓球。
小学生から20代まで年代などに応じてグループに分かれ→
お互いが楽しく過ごすための
やり方について→
話し合いながら活動しています。
はい そのとおり。 ありがとうございます。(拍手)
OK!
(拍手)
(一同)あ~。
こうしたプログラムを共にしながら診察だけでは解決が難しい→
人間関係や社会生活を送る上での問題を
スタッフと一緒に考えていきます。
去年2月から デイケアに通う
20代後半のAさん。
中学2年の時から
妄想や潔癖症に悩まされ 精神科を受診。
4年前までは
別の病院で治療を受けていましたが→
症状が改善せず
20代になっても就職できずにいました。
更に 日常生活を送る上で
ある悩みも抱えていました。
SNS上でのトラブルで
体調を崩したことから→
家族や主治医に スマートフォンを
持つことを禁止されていたのです。
しかし Aさんにとって
スマートフォンは→
社会とのつながりを感じられる
大切なものでした。
デイケアのスタッフは
Aさんの状況や思いを丁寧に聞き出し→
一緒に解決策を探ってきました。
そして 就労を目指しAさんが家族や主治医の納得を得た上で→
自分のお金でスマートフォンを買う
というプランを作ったのです。
少しずつ デイケアに通う日数を
増やしていったAさん。
3か月後 作業所に通うことが決まり
その後 スマートフォンを購入しました。
料金も 自分で払っています。
(笑い声)
本人の気持ちを尊重し
周囲の理解を得るためのサポートが→
社会復帰への第一歩につながっています。
(2人)イエ~イ!
中学生の男の子で
いじめられっ子だったんですね。
彼が通院するようになって→
2週間に1回 私の外来にきちっと 彼は通ってきて→
出来事を話してくれるんですね。
「いじめっ子対策を考えた。→
集団でいれば怖くない」。
そのうち その集団が全学年に広がって→
学校全体に広がって→
数十人の いじめられっ子たちのグループができて→
その名前も
イジメラレーズっていうふうに付けた。
その彼は
副リーダーになった。
サブリーダーになった。
すごいねっていうふうにびっくりして。
ある時 珍しく彼が来なかったんですよ。
病院に来なかった。はい。
お母さんが珍しく来られていて
お母さんと2人で話をした時に→
「イジメラレーズって すごいですね」って
お母さんに言ったら→
「それ うそだと思います」。
私は 全く そう考えてなかったので→
「えっ?」っていうふうに
思ったんですけど→
また1対1で話した時に→
「お母さんから聞いたよ」っていうふうに彼に言ったら→
彼は しばらく沈黙をして→
私が 「これからどうしようか。イジメラレーズの話」っていうふうに→
切り出したら
「もうちょっと続けたいです」って。
私も すごく その言葉 うれしくて→
「じゃあ 続きを聞かせて」っていうふうに。
あと数回で イジメラレーズが
解散する話までしてくれて。
私は最後に 「とても楽しかった」って