彼に。 「ありがとう」っていうふうに。
うそか本当かじゃなくて その言葉を
全部 受け取るっていうことが→
大事なんだろうなと思いましたね。
僕… スタッフの人に家出をした話をしたことがあって→
調子が悪い時に
夜中に1人で 家出したんですけど→
「そんなことしちゃ駄目だよ」とか
言われるのかなって思ったんですけど→
「あっ そうなんだ」みたいな感じで…
やっぱり そこで現実的に→
何か 「ほかに あなたのいる場所は
ないでしょ」とか言われても→
それは分かってると。
今 学校現場においては精神疾患の子どもさんや→
精神疾患そのものに対する受け止め
っていうのは どんな状況なんですか?
そうですね 先生方の中にも
どう対応していいか分からないので→
完全に治ってから学校に来て下さいとか→
主治医の先生から許可をもらって→
学校に来て下さいっていうようなことを
言われたっていう→
保護者や当事者に出会うことって
あったんですね。
医療かかる前に
親のしつけは どうなんだとか→
子どもさん自身のお尻をたたくような
言葉を→
出してしまうっていうのもあるので→
そこがね どうしても連携といった時の難しさっていうのを→
実感しているっていうのが 今なんですね。
子どもたちの悩みを受け止める場は医療機関だけではありません。
教育現場で 心の病をどう教えるか
模索が始まっています。
精神疾患を発症した子どもを持つ
親たちのNPOでは→
教員やスクールソーシャルワーカーと
協力して→
手作りの教材を制作しています。
机に並べられたのはさまざまな症状が書かれたカードです。
多くの場合
子どもが心の病にかかった当初→
本人も親も気付くことができず
医療機関への受診が遅れたといいます。
そこで 精神疾患に伴って起きる気持ちや
体の変化を分かりやすく視覚化し→
誰にでも起こりうることとして
認識してもらおうというものです。
更に 我が子が精神疾患になってから
どんな道のりを歩んだか→
その実体験も教材にしています。
中学生の時に発症した女性のロードマップです。
うつ状態がひどく
寝たきりだった中学時代。
友達や先生の理解を得られず
苦しんだ高校生活。
そこから時間をかけて
回復していくまでの過程を→
同じ世代の生徒たちに伝え→
心の病を身近に感じてもらいたいと考えています。
こうした教材を使い→
6年前から 地元の高校で出前授業を始めました。
授業を受けた生徒が→
自分自身の気持ちを打ち明けるきっかけにもなっているといいます。
子どもたちの心の病に
教育現場は どう向き合っていくべきか。
国も動き始めています。
新しい学習指導要領に基づき→
3年後 精神疾患に関する授業が
全国の高校で始まるのです。
10代で発症しやすい疾患は→
具体名を挙げて指導することが求められています。
専門家たちによる
授業開始に向けた準備も→
進められています。
学校の先生たちに向けて開設したホームページです。
授業で活用できる動画や指導案を→
今年4月から サイト上で公開しています。
10代で発症した当事者が体験を語る→
インタビュー動画もあります。
毎日 頭痛… 頭 痛かったり。
部活やって あの… 頑張っても→
そんな 結果も出ないっていうの
結構あって。
すごい 何か その
つらかったっていうか…。
更に モデル授業を実施した
高校の様子を紹介。
全国の教員に 子どもたちへの精神疾患の
伝え方について→
参考にしてほしいと考えています。
どういうふうに生徒に伝えたらいいのかなっていうことだったり→
あとは もう 本当に 精神疾患が
どういうものなのかっていうのを→
自分で まず理解することが大事かなと
思ったので。
子どもたち 学校の教員が→
共に 心の病を正しく理解するために。
さまざまな模索が始まっています。