あめの記述が登場するのは…
神武天皇が 天下平定を祈り
あめを作ったと書かれています。
まだ 砂糖のない時代→
このあめは 米などの穀物を煮詰めたものだったと→
考えられています。
能登半島では→
今も 穀物だけを使った あめが
作られています。
この地方は 温暖で雨量が多く
古くから稲作が盛んでした。
余った米を無駄にしないため→
あめにして長期保存するという知恵が生まれたのです。
北部にある能登町。
町に500年近く伝わるというあめを作っています。
使うのは 発芽した大麦。
発芽で活性化した酵素があめを甘くするのです。
まずは 大釜で
うるち米30キロを蒸します。
そこに 芽と根を取り除いた
大麦の粉末を混ぜ込みます。
米と麦の比率や湯の温度は→
穀物の出来栄えや天候であんばいを変えます。
蓋をして 一晩 寝かせます。
翌朝7時。
蓋を開けると→
甘く香ばしい匂いが漂います。
麦芽の酵素が→
米に含まれるデンプンを糖に変えたからです。
これを麻の袋に入れて搾ります。
(搾り汁のたれる音)
搾り汁のたれる勢いが
強いか弱いか 音を聞き分け→
煮詰める時間の目安にします。
♪♪~
2時間たつと
汁が あめ状になってきました。
4時間後
かなり固まってきました。
ここから1時間 焦げ付かないよう
休まず かき混ぜます。
煮詰めた あめを
木のおけに入れて保存。
一晩置くと カチカチに固まります。
でも これ 昔の人はどうやって食べたのでしょうか?
こういう専用のノミで→
起こして少しずつ食べる訳なんですね。
子どもたちが食べる時に
あっという間に なくなるんで→
決め事として
一日1回だけ起こせるという。
これで→
1人の一日分のあめなんですね これ。
目の前のあめの割には→
一日 食べられる あめはものすごい少ないですね。
こはく色のあめは
ほんのりとした甘さ。
米と共に生きてきた人々の
知恵の結晶です。
何だ? これ。
液体?
おっ これ トロ~ッとしてるな これ。
(においを嗅ぐ音)えっ?
え~ これ
何だか おいしそうだな これ。
えっ まさか 食べ… 食べ…。
あ~!
甘い。
これ 水あめじゃないか。
あっ おいしい。
透明感のある リアルな金魚。
ガラス細工… と思いきや
実は これも あめなんです。
作者の手塚新理さん。
手と僅かな道具だけで動物などの形を作る→
あめ細工師です。
棒の先のあめを引き伸ばしたりはさみで刻んだり。
あめは
すぐに固まってしまうため→
限られた時間で→
いかに形を再現できるかが勝負です。
表面をバーナーで加熱すると
曇っていた部分が透明に。
細かなしわや凹凸が溶け→
ガラスのような質感が生まれるのです。
♪♪~
得意なモチーフは魚など 水辺の生き物です。
独学で
あめ細工を始めた手塚さん。
納得できるまで
毎日100個近く作り→
腕を磨きました。
それにしても食べてしまうのは もったいない。
(手塚)キーワードとしては…
だからこそ でも…
…とは思ってるので。
その辺に 何か→
引き付けられてるのかな
という気はしますね。
はかなきものに情熱を注ぐ。