考えてるんだって立場ですから。
船越≫放送切ると
師匠ここに来るからね。
どうして、また落語の道に
進もうと思ったんですか?
伊集院≫とにかく世の中から
浮いてるっていう感じの毎日を送ってて。
学校も不登校になっちゃって。
船越≫なんで浮いてるっていう感じになっちゃったの?
伊集院≫体が、でかいところから
始まって、例えば体がでかいと
体育着買いましょうっていっても
僕のサイズだけないんですよ。
そうすると、ほかの子と
ちょっと緑でも
違う緑のものを着たりとか。
クラスメイトとけんかしてるのを
近所の人が止めるときにも
お前、大きいんだから我慢しろと。
同い年だと思わないからみたいな
何かちょっと歩調が合わない感じがずっとして
浮いてる子ではあったんです。
それが思春期辺りでそのズレに耐えられなくなって
学校、行かない。
学校行かないけど行かないことを
家族に悟られるのも
ちょっといやみたいな。
一応、表に出ると
東京なので落語会やってたりとか
そんなところに行くと
そのころ
はやりは漫才なんですけど
漫才はフィットしなくて
なんとなく、落語の
主人公がみんなだめな人みたいな。
あの感じに
ちょっとずつひかれて。
船越≫世間からズレてる人が
大体主人公だからね。
伊集院≫そういう人が
ヒーローっていう世界が
あっていいんだっていうのが
あって、落語にちょっと流れていくんですけど
あんまり日ごろ無口な父親が
いろいろ見抜いてて
ちょっと心配したらしくて
ある日、知り合いの知り合いに
落語の関係者がいるから
落語、好きだったら会ってみたらどうだ?って
しかもほとんど会話ないんですよ
家で
ひねくれまくっちゃってるから。
そんなこと言われて、なんかつながってるんだって
会いに行ったのが
ある本屋のおじさんなんですけど
本屋さんのおじさんなんだけど
俺、楽太郎知ってるから
楽太郎と会ってみろって言われて
それで、会うんですよ。
ここで俺が一生懸命話して
もしかしたら何か月か座り込みで
弟子入りとかできるんじゃないの
って思い始める。
そしたら喫茶店で会ったその日に
じゃあ、あしたから弟子ねって。
あとで気付いたのは
その本屋のおじさんっていうのは
師匠の師匠
前の円楽の弟なんですよ。
だから師匠からすれば
もうノーって言えない人を
連れてこられてる。
船越≫師匠にこいつをなんとかせえと。
それは断れないよね。
伊集院≫パワハラですよね俺のやってることは。逆パワハラ。
最大の人を知らずに呼んで
面接をしてやれと言われて
こっちはもしかしたら
テレビ気分だから
楽ちゃん、もしかしたら
ずっと頼めば
弟子にしてくれるかもみたいな。
夏休みの入り口だったから夏休みを全部使って
夏休み終わったころに
入れたらラッキーと思ったら
あしたから来なさいって言われて。
でも来週海行く予定なんだよなとか思ったり。
そんなきっかけで
入れていただいて、落語を。
船越≫でもこうやって二十歳で
脚光を浴びて
このままいって二ツ目にも
昇進したんでしょ。
このままいけば、落語の世界でも
成功だったでしょうに
なぜラジオにいったんですか?
伊集院≫それが甘くなくて根っからこらえ性がなくて
学校も辞めちゃって落語に
いってるくらいなんですけど
落語もまた途中でだんだん