マネーゲーム？」。
「うん そや。
流行語が ものっすごい生まれたな」。
「『倍返し』ですか？」。
「もう そんなん違うねん。→
そら 娑婆や。 こっちはな
『香典返し』いうのがはやった…」。
「『香典返し』？
ほな『土下座をしてもらいます』とか→
そんなん言えへんかったん？」。
「うん。 『土左衛門になってもらいます』」。
「それ 意味が分からないですけど」。
「まあまあ これがえらいはやったんやなあ」。
「へえ～。 せやけど
ここ 繁華街やいう割に→
あの～ シャッター通りみたいに
シャッター多いですね。→
店がシャッター閉めてはりまっせ」。
「時短やねん」。
「あっ 時短営業？」。
「そうやがな。 こっちもな ウイルス→
新型イチコロナウイルスいうのが
はやってな。→
もう シャッター閉めなあかんいうてな→
飲食店の人が『悔しい 悔しい』言うてんねん」。
「そない悔しがってまんのん？」。
「地団駄（時短だ）」。
「しょうもないこと言わいでよろしい。
油断したら そんなん言いまんなあ」。
「もう そうやがな。 せやけどな
もう そのウイルスのせいでな→
皆 接触を避けなあかん言うてな→
赤鬼のな 学者の先生が出てきて太った人が→
『８割 接触を避けて下さい』。
この人が えらいあだ名 付けられてん」。
「え？ 何ちゅうあだ名？」。
「『８割鬼さん』いうてな→
『接触 避けて下さい』言うてな
えらいはやったんやなあ」。
「はあ～ さよか。 いろいろ
こっちも影響おまんねんな」。
「そうやがな。 スポーツの祭典がな
１年延期になったなあ」。
「あっ スポーツの祭典 こっちも？」。
「そうやがな。 ４年に１度な→
スポーツの祭典が こっちの冥土で
行われる予定やったんや。→
ほれ そこに競技場あるやろ？」。
「あっ 大きな競技場でんなあ」。
「うん。 これな 『地獄』と『極楽』がな
お金 半分ずつ出して建てた→
獄極立（国立）競技場いう…。→
ここでやるスポーツの祭典がなもう １年延期や」。
「あの～ オリンピック？」。
「ポックリンピック」。
「ポックリンピック？」。
「そう。 ポックリ死んだ人だけが→
スポーツするちゅう
４年に１度の祭典やな」。
「はあ～。 それが延期されたんですか？」。
「そうやがな。→
ほいでな エンタメ業界も大変やね。
こっちにあんのがな→
上方落語の定席 寄席小屋や」。
「あっ 寄席小屋 こっちもあるんですか」。
「そうや。 上方落語の定席
半死半生亭」。
「半死半生亭？
だいぶ 経営 危なそうな名前でんなあ」。
「エンタメ業界は きついからなあ。→
ほんで ここはなミュージカルの劇場。→
浅利慶太が演出してるな→
もう 今 死にたての亡者がやってるミュージカルの劇場 劇団死期（四季）」。
「はあ～ なるほどね。 劇団死期。
ちょっと字が違いまっけどね。→
へえ～ ほな いろんな人が
いてまんねんな。 この冥土にも」。
「そうやがな。 冥土ちゅうてもな
いろんな種類の人間がいてんねんで。→
ほんま 冥土にはな いろんな人が
モジャモジャ（亡者亡者）いてるなあ」。
「ここが オチですか？」。
「まだや。 まだや まだや。→
今からな 念仏 買いに行こう」。
「念仏？」。
「そうやがな。 あのな 念仏買うたらな→
閻魔大王様のお裁きその時に罪が軽なんねやな。→
せやさかい 念仏持っとったら
ええのやないかいな。→
ほいで 今 キャンペーンやってんねん。
念仏持ってへんやつはな→
閻魔大王からな
『お前 持ってへんのか！』いうてな→
罰を与えられるっちゅうのやな。
罰当てられるさかい→
念仏持っとかなあかん。
ほんで 念仏持ってたらな→
三途の川の渡し賃が
割り引きしてくれんねんで。→
せやさかい 念仏買わなあかんちゅう