これは NHKが独自に開発した→
ツイッター上のトレンドを分析する
システムです。
今年の1月以降 日本国内で
新型コロナについて投稿された→
およそ1,000万件のつぶやきから
発生源に関するものを全て抽出。
いつ どんなキーワードが
多く投稿されたのかを可視化しました。
2月に現れた大きなピークは→
最初に異常事態が報告された「海鮮市場」です。
しかし ウイルスの発生が 12月以前に
遡る可能性が高まったことからも→
海鮮市場は 初期のクラスターの一つに
すぎなかったと見られます。
ここから 発生源を巡る国家の思惑が
交錯し始めます。
3月に 急上昇したキーワードが
「米国」 アメリカです。
きっかけの一つが
中国外務省の報道官のツイートでした。
この主張の背景にあったと
見られているのが→
去年10月に武漢で開催された
世界軍人競技大会です。
世界中から 9,000人以上の軍人が参加。
アメリカからも多くの選手が訪れました。
この時 複数の軍人アスリートが
感染症で入院したと→
中国メディアが報じました。
しかし その後の医師の証言では原因は 「マラリア」だったとされています。
その後 ツイッター上では
別のキーワードが急上昇します。
「研究所」。
きっかけの一つになったのがアメリカ政府による主張です。
疑惑の目を向けられたのが…
ウイルスを扱う実験施設は海鮮市場から直線距離で26キロ。
ここから新型コロナが
流出したのではないかというのです。
しかも 研究所では
2013年に雲南省で発見した→
「RaTG13」と呼ばれる
コロナウイルスの研究を行っていました。
それは 新型コロナと遺伝情報が
96%一致するウイルスでした。
「RaTG13」が新型コロナのもとに
なったのではないか?
これに対し 中国は
アメリカが証拠を提示していないとして→
疑惑を強く否定しています。
科学的根拠が示されないまま曖昧な情報が飛び交うウイルスの発生源。
解明にあたるWHOは→
年明けにも 調査チームを中国に派遣したいとしています。
調査に参加するコロナウイルス研究の
世界的権威 ピーター・ダシャック氏が→
独占インタビューに応じました。
ダシャック氏がウイルスの発生源とにらんでいるのが→
中国南部 広東省から雲南省にかけての
山岳地帯です。
ヒトに感染するおそれのある
コロナウイルスが→
数多く見つかってきた
ホットスポットです。
2002年に感染が広がった
SARSウイルスは広東省で発生。
希少動物のセンザンコウからは
新型コロナと遺伝情報が→
85%以上一致するウイルスが
複数見つかっています。
そして 遺伝情報が
96%以上一致するために→
疑惑の目が向けられた
「RaTG13」は→
雲南省のコウモリから
見つかりました。
ダシャック氏が最も注目しているのも
「RaTG13」の自然宿主…→
この「キクガシラコウモリ」です。
調査チームはコウモリの生息に適した洞窟に入り→
血液や糞などを採取。
RaTG13よりも 更に新型コロナに近いウイルスを見つけ出そうとしています。
パンデミックの始まりが
大きく遡る可能性が見えてきた→
新型コロナウイルス。
人類が気付かないうちに進んでいた初期の感染拡大とは→
どのようなものだったのか?
NHKは テキサス大学のマイヤーズ教授の研究をもとに→
シミュレーションを行いました。
利用したのは中国国内で10億人が利用するスマートフォン・アプリの位置情報。
更に 2,100万人分の
海外への渡航データを組み合わせました。
中国南部から発生したと
複数の研究者たちが見る→
新型コロナウイルス。
マイヤーズ教授のシミュレーションでは→
12月に入った時点で
武漢での感染者は 推計72人。
そこから12月いっぱいで
北京や重慶 広州など→
33都市に感染が拡大していた可能性が