(あきら)《あのとき店長 元気なかった…》
《こんなとき
何かを伝えられたらいいのに…》
《電話とかじゃなくて…》
[外:6D5AA3FF99A144BD5138562787F58590](バイブレーターの音)
(ドアの開閉音)
♪♪~
(久保)メッセ?
スマホのアプリの?
(ユイ)はい!
友達のバイト先では→
店長公認の
グループメッセがあって→
そこで シフトのやりとりとか
するらしいんです!
(久保)へえ~ 便利ね。
(久保)でも 確か うちの店長って…。
(吉澤)あー。
(ユイ)ガラケー…。
ガラケーでも
メッセってできるんだぜ!
(あきら)そうなの!?
(3人)ん?
あっ… いや あったら
便利だなって グループメッセ。
(ユイ)んね!
メールも がんがんできちゃうし!(ユイ)んね!
(加瀬)店長とメッセなんて
勘弁してくれよ。 うっぜー。
それに あの店長が メッセを
使いこなせるとは思えねえし。
この話 なしなし。
(せきばらい)
橘。 グループメッセは
残念だけど→
俺とペアメッセってのは
どうだろう?
ひいては IDを…。→
また いないし…。
《メッセできる… メールも!》
《メッセは店長 よく分からなそうだから…》
《メール…》
《店長と メールができたら…》
(キーボードを打つ音)
(ドアの開く音)
お疲れさまです。
(近藤)ああ お疲れ。
(キーボードを打つ音)
《「メールしませんか?」だとおかしいかな…》
《「メールしてもいいですか?」》
《よし!》て… 店長!
ん?
あっ あの メ… メ…。
えっ?
『坊っちゃん』 面白いです…。
ぼっちゃん… あー!
この間 図書館で借りた!
漱石の文体は口語体だから
時代を問わず 読みやすいんだ。
(キーボードを打つ音)
あ… あの。ん?
店長が借りた本は
面白かったですか?
うん。
どんな本なんですか?
いや 普通の… 純文学。
知り合いの書いた本なんだ。えっ!
すごいですね!
店長のお友達ってことですか?
うん まあ…。
えっ すごい!友達に そんな人がいるなんて!
ハハッ…。
店長って… すごいです。
すごいのは 本を書いた友人だよ。
ハハハ。俺は何もしちゃいないさ。
ただの おじさんです。
でも 本をたくさん読んでるし…。
ハハハ… 本 読んでるやつなんて
この世に ごまんといるよ。
先生みたいに説明もできるくらい
詳しいし…。
店長だって… 店長だって…。
君が 俺の何を知っているの?
[外:2EFC3F9CB8EA7F1AF59B0E3919EBAAA9]本日21時ごろ 台風は
関東へ上陸の恐れがあり→
強い雨風が予想されます。
バイト行ってくる。(母)あら これから台風来るのよ。
休めないの?
あ… うん。
休まないよ…。
お疲れさまです!
風邪?
そうよ!まったく あの店長ときたら→
この忙しい時期に 夏風邪なんて!
まったく 西田さんも休みなのに困るわよねぇ。
吉澤は ばっちりいます!
頑張る系っす!
(久保)あなたは
100倍 皿洗いを頑張る系よ!
あいよー!
(久保)まあ こんな天気だから→
そんなに混みはしないと思うけど
橘さん よろしくね。
はい…。
[外:5C31E7978A711D0CA0469B294CB47CA6](呼び出し音)(久保)ほい 行った 行った。
あっ はい!
《風邪… か》
♪♪~
♪♪~
あっ。
(割れる音)
ん?
(吉澤)おお?
あっ すみません…。
掃除は後!
作り直して! 早く!
あっ はい!
フゥ…。
はーっ! ヤマは越えたわ!
台風のおかげで
そんなに きつくなかったわね。
外 すっげえ雨と風っすよ。
電車 動いてんのかなぁ。
橘さん 疲れたでしょ。
休憩 行っていいわよ。
あっ はい。
《君が 俺の何を知っているの?》
(ドアの開閉音)
お疲れ。
お疲れさまです。
調子悪そうだね。無理しない方がいいよ。
あと あんまり 店長のこと
追い詰めたら 気の毒だよ。
えっ?
あの人にも立場ってのがあるし→
明らかに困ってんじゃん?
それとも 追い詰められてるのは橘ちゃんの方だったりして。
楽しいことが また
消えてしまわないように。
《君が 俺の何を知っているの?》
(せき)
あぁ…
久保さん 怒ってんだろうなぁ。
[外:5C31E7978A711D0CA0469B294CB47CA6](電子音)
あっ 少し下がった。ハァ…。
(せき)
(せき)
フゥ…。
≪(チャイム)
ん… 誰だよ こんな嵐の日に。
セールス? 居留守しよ…。
≪(チャイム)
≪(チャイム)
≪(チャイム)
ん~…。
はーい はいはい はーい。
今 行きまーす。
うわっ!?
えっ。あ… の…。
あたし… あの…。
すごい雨…。
ん~…。
お店で… 何かあった?
橘さんは
いつも 雨の日に突然 現れるね。
(風の音)
コホッ…。
あたしは…。
あたしは 店長のこと何も知りません。
あっ…。
だから 知りたいです店長のこと… あたし…。
ごめん…。
あんな言い方をしてしまって。
だけど 本当に 俺は
大した人間じゃないんだ。
何をやっても中途半端で→
人に誇れることなんて何一つない。
橘さんが思うような
大人じゃないんだよ。
店長は…。
すてきです。ハハハ…。
俺からしたら 橘さんの方が
はるかに すてきだよ。
若くて 希望に満ちあふれてて
キラキラ輝いてる。
じゃあ どうして
こんなに胸がちぎれそうなの!?
若さっていうのは
時に 乱暴で凶暴なものなんだ。
それでも そのときに感じた
感情というのは→
いずれ
掛け替えのない財産になる。
今は分からなくても…。
あたしが 店長のことを好きなのは迷惑ですか?
あたしでは… 駄目ですか?
駄目なわけないじゃないか!
橘さんは 誰から見たって
すてきに違いないよ!
駄目なんてことは 決してない!
俺は…。
えっ 停電?
♪♪~
橘さんといると…。
忘れていた その…掛け替えのない財産ってやつを→
思い出すことができるよ。
迷惑なんかじゃない。
むしろ 感謝しているんだ…。
♪♪~
♪♪~
よかった…。
《この感情に 名前を付けるのは
あまりに軽薄だ》
《それでも
今 彼女が抱えている不安を→
取り払って 救ってやりたい…》
《たとえ 自分に そんな資格があるとは思えなくても…》
《この感情を…》
《この感情を…》
《この感情を「恋」と呼ぶには
あまりにも軽薄だ》
《今 このひととき 傘を閉じて
君の雨にぬれよう》
《どこまでも あおく→
懐かしさだけで触れてはいけないものを→
今 僕だけが守れる》
《今 このひととき 降りしきる君の雨に 君とぬれよう》
《どこまでも あおく
あおく輝き続けられるように…》
《今 僕だけが祈れる…》
あっ。
あ… こ… これは…。
その…。
友達! 友達としてのハグ!
友達…。
(倒れる音)
店長!?
(セミの鳴き声)
ありがとうございました。
まーったく!
店長が出てきたと思ったら今度は 橘さんが風邪だなんて!
ハハハハ。
どうしたんすかね?
昨日は 普通に
元気そうでしたよね。
お前 目ぇ 節穴な。
(吉澤)へっ? えっ 何すか?フシアナって。
ハハハハ。
吉澤君は面白いね~。
(母)まったく もう…。
あんな嵐の中バイトなんて行くから。
じゃ お母さん
仕事に行ってくるから→
何か欲しい物があったら
メールしてね。
うん。
ちゃーんと寝てるのよ!
ハァ… フゥ…。
ハァ…。
んっ。
ハァ…。
《電車!
まだ動いてるみたいだから!》
《店長… 一人で大丈夫ですか?》
《俺のことはいいから!》
《ほら ちゃんと乗って。
ぬれちゃうよ》
《気を付けて帰るんだよ!
お願いします》
♪♪~
♪♪~
♪♪~
んっ!
ハァ… ハァ…。
ぷはっ。
フゥ…。
友達…。
♪♪~
ああああ…!
(セミの鳴き声)
♪♪~
2018/02/23(金) 02:00〜02:30
関西テレビ1
恋は雨上がりのように[字]
近藤はあきらを拒絶するような言葉を発してしまう。ショックを受け消沈の日々を過ごすあきらは近藤を想いあることを決意する
詳細情報
おしらせ
「平昌オリンピック2018 ショートトラック 男子・女子決勝/男子リレー決勝」延長の際、放送時間繰り下げの場合あり。
番組内容
陸上部のエースだったが怪我で走ることをやめてしまった女子高生・橘あきら(17歳)と、夢を諦めた過去を持つあきらのバイト先、ファミレス「ガーデン」の店長・近藤正己(45歳)。海辺の街を舞台に、青春の交差点で立ち止まったままの彼女と、人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなすものがたり。
胸が熱くなる瞬間を、本当は誰だって待ってる――。
出演者
橘あきら(CV:渡部紗弓)
近藤正己(CV:平田広明)
喜屋武はるか(CV:宮島えみ)
西田ユイ(CV:福原遥)
スタッフ
【原作】
眉月じゅん(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)
【監督】
渡辺歩
【シリーズ構成】
赤尾でこ
【キャラクターデザイン・総作画監督】
柴田由香
【音楽】
吉俣良
【オープニング・テーマ】
CHiCO with HoneyWorks「ノスタルジックレインフォール」
【エンディング・テーマ】
Aimer「Ref:rain」
スタッフ2
【アニメーション制作】
WIT STUDIO
【制作】
アニメ「恋雨」製作委員会
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ