♪♪~
♪♪~
やったー! 10秒ぴったり!
(はるか)もう少ししたら
トラック サッカー部に譲るから→
1本ずつ走っとくよ!
(部員)うえっ! 南高の倉田さん100mで自己新だって!
(部員)すごっ!
アキレスけん断裂から完全復活…。
喜屋武先輩 知ってました?
(はるか)えっ? うん…。
そんなケガしてたのは
今 初めて聞いたけど…。
(石井)アキレスけんって
橘先輩と同じケガ… ですよね?
(はるか)そうだね…。
(石井)今日やってる 県大会本戦→
倉田さん 出てます。
橘先輩の大会記録抜かれちゃうかなぁ…。
えっ…。
何か 橘先輩が このまま走らなくなっちゃうの→
悔しいです…。
♪♪~
(はるか)《同じケガでも
それぞれ違うのは分かってる》→
《だけど…》
(スターターピストルの音)
(はるか)《誰かにできて
あきらにできないなんて→
どうしても思えないよ!》→
《あきら…》
(はるか)ハァ ハァ…。
(サッカー部員)入れ替え!(サッカー部員たち)オーッ!→
雨 降りそう。
つか これ降るし。
(はるか)陸上部 撤収!
(陸上部員たち)はーい!
♪♪~
(3人)失礼しまーす!(はるか)お疲れ。
(サッカー部員)下がれ~!
雨 降りそう…。駅まで持つかな?
サッカー部 かわいそ…。
[外:6D5AA3FF99A144BD5138562787F58590]
自己新… っても
あきらのタイムには まだまだ…。
みんな ちょっと騒ぎ過ぎ。
あっ。
あきら!
お… おーい! あきら…。
(トラックの走行音)
ハァ…。
(キーボードを打つ音)
(久保)店長!そろそろ出ないと遅れますよ!
(近藤)
ん~? うん… これ打ったら…。
(あきら)あの 店長…。
(近藤)ん?
(あきら)
これ 来月分のシフト希望です。
おお ありがとう。
え~っと… ん~…。
えっ 日曜も… いいの? 大丈夫?
あっ はい。
橘さんさ…。
(久保)店長!
(久保)本社の会議に遅刻なんて
あり得ませんよ!
はーい はい はい。
夜には戻りまーす。
まったく どうして
もっと余裕を持って→
出られないのかしらねぇ…。
橘さん。
あたしたちだけでも
しっかり やりましょう!
タイム イズ マネー!
はい!
ごゆっくりどうぞ。
やっぱり! ない!
振り出しに戻る。
[外:5C31E7978A711D0CA0469B294CB47CA6](入店チャイム)いらっしゃいませ。
何名さ…。
はるか…。あたし一人。
空いてる席 どこでもいい?
いやぁ~ いかん いかん。忘れた 忘れた。
あっ。
おっと… いかん いかん。
(はるか)ドリンクバー 1つ。
すぐ帰るから それだけでいい。
じゃあ 追加注文あったら呼んで。
(はるか)待って。
ん~…。
《橘さんと同じ制服…》
(はるか)ねえ あきら…。
戻っておいでよ。えっ。
陸上部へ戻っておいでよ!→
このままだと あきらと陸上が…。
あたしたちとも
どんどん離れていっちゃう…。→
そんなの悲し過ぎるよ!
(はるか)帰る。ごめん 注文 取り消して。
あっ。
今日の大会本戦で→
100m自己新出した 倉田って子…。
その子 2年前にあきらと同じケガしてる。
いつでも
あきらのこと待ってる…。
♪♪~
♪♪~
おっ… おおお!?
すっげ~! 映画かよ!
[外:6D5AA3FF99A144BD5138562787F58590](呼び出し音)
[外:6D5AA3FF99A144BD5138562787F58590](ちひろ)あい。もしもし? 俺だけど!
お前の小説 映画化だってな!
おめでとう!
[外:6D5AA3FF99A144BD5138562787F58590]おお… ところで お前
今どこにいるんだ?
えっ? いや どこって…。
別に 普通に散歩してもうすぐ 家に…。
[外:6D5AA3FF99A144BD5138562787F58590]あ~ ホントだ。
見えた 見えた。
へっ?
(ちひろ)来ちゃった。
ったく びっくりさせんなよな。
びっくりさせたかったんだもん!何だそりゃ…。
急に来られても 何にもないぞ。
何もいらねえよ。
部屋も すんげえ 汚えぞ。
ホントだな…。
ん? 何だ あれ…。
何で ハムスター?
ちょっとな…。
よって そこは禁煙。
今日な いいもん持ってきたぜ。
ん? いいもん?
ニン!
あっ。
(やかんの鳴る音)
じゃじゃじゃーん!
おお~ 懐かしい!
だろ~?
昔 使ってたやつは
割れちまったから→
新しく買った。
ネットでポチッとな。
いや ポチはいいけど
うちにコーヒー豆なんかねえぞ。
だろうと思ってな
それもポチッとな。
それもポチ…。
常に 全てにおいて ポチ!
テッテレ~!
キリマンジャロコーヒーとフィルター!
は~あ 恐れ入谷の鬼子母神。
沸いてきた 沸いてきた。
んじゃ そろそろスタンバるか。
へっ?
えーっと… おい あれ出せよ。
あれって お前…。
あれっつったら あれだろ!
紙だ 紙。 原稿用紙。おい おい おい…。
えっ まさか
あれ やるつもりかよ。
当ったり前だろ。
なあ つぶつぶ~。
つぶは1回。
ほれ 出せよ。
ねえよ んなもん。
カップ カップと…。
じゃあ 探しちゃおーっと。
ふむ…。
これは これは…。
バーカ。 あるじゃねえか。
駄目だ… 俺は お手上げだ…。
お前は? 書けたか?
ほい。
「どこまで どこまでと鳥が鳴く」
「運んできたのは 何の種だろうか」
「足元から まだノックの音はない」
(ちひろ・近藤)ハハハハ…。
いやぁ 参った~。俺も駄目~ 大失敗。
ここで やるとは思わなかったぜ
1分小説。
学生時代を思い出すだろ?
コーヒー落ちるまでに短編書けなきゃ お仕置き!
思えば とんでもない儀式だぞ。
そもそも サイホンのコーヒーって1分で落ちるのか?
さあな… まあ 目安だろ 目安。
いやぁ にしても書けねえな~。
あのころは勢いっていうか
勝手に 言葉があふれ出てきた。
何の約束もないのに
毎日 ワクワクしてた。
その先に
何があるわけでもないのに→
目の前の坂を
全力で駆け上がっていた。
待ってろ 芥川!
俺は 文学の潮流を変える激流の岩だ!
いやぁ~!
何で そんなこと言えたかな…。
俗にいう 若気の至りか。
いやはや…。
今は もう… なーんにも書けない。
その点 お前は すげえよ。
今や 超売れっ子作家!
自分の書いた小説が映画化だぜ!
あんな小説 大衆にこびたクソだ。
けど お前の作品はたくさんの人を救っている。
文学ってのは 人を救うための
もんじゃねえんだよ!
文学ってのは
毒であるべきものなんだ!
そうだろ!? 近藤!
お前 まさかそれを言いたいがために→
今日 ここに来たのか?
悪ぃか?
あと お前の顔 見たくて来た。
ぐっ… 気持ち悪っ!
走りだす前の俺を知ってる
お前に会いたくなったんだ。
一度 走りだしたら止まらねえ。→
つまずくことさえ許されず突っ走る。→
ゴールが どこなんて
分かりゃしねえ。→
周りの期待に
押しつぶされそうになりながら→
結局 クソを生み出し続けている。
そんな自分を戒めたくてお前に会いに来た。
見失ってしまいそうな
自分を確かめるためにな…。
ちひろ…。
なーんちゃって。
お前 さっき 「前みたいには
書けない」って言ったよな。
ん? あ… ああ。
ホントは 書けないんじゃなくて書かないんだろ。
昔と
おんなじような気持ちでなきゃ→
書いちゃいけねえと思ってんだ。→
そうじゃねえと過去の自分に失望されちまう。
お前を邪魔してんのは お前だよ。
もう この年だ。
あのころに戻れるはずもないし
青臭い感情だけでは→
どうにもならないことが
たくさんあった。
でも 書くことだけは
夢や憧れに正直でありたい。
たった一行でいい。
猛毒をおとしたい。
たった一人… その一人の心を
毒で おかしたい。
なんちゃって。
(たばこに火を付ける音)
フゥ…。
実際 近藤ってさ正直な人生だよなぁ。
そうかな…。
そうだよ。
あのころのまま
夢一個で生きてる。
あの部屋だって
未練じゃなくて 執着なんだ。
じゃあ ちひろ お前もおんなじだ。
夢一個 握りしめて→
より高い文学の頂に挑んでる。
あのころのままに…。
フゥー。
しっかし 眺めの悪い所だなぁ。
先が見えねえから
ワクワクすんだよ。
♪♪~
《執着か…》
《だとしたら
この思いを持ち続けていれば…》
《いつか
たどりつけるのだろうか…》
♪♪~
♪♪~
♪♪~
(はるか)《その子 2年前にあきらと同じケガしてる》
あのね これ 忘れ物なの。
あっ。
お客さま~!
《本当に飛ぶことを諦めたツバメは→
きっと 空を見上げることも
忘れてしまうでしょうから》
お疲れさまです。
お疲れ~。
あっ 橘さん。
この間 もらったシフト希望のことなんだけどさ→
ホントに こんなに入れていいの?
中間テストとかあるんじゃないの?
大丈夫です。 入れます。
うん… あっ そっか…。
バイトよりも
やりたいことがあったら→
そっちに時間とってもいいよ?
えっ…。
あっ いや うちは人手不足だけど
何とかなるっちゃなるし…。
学校とか その…
色々あるでしょう? ハハハ。
他にやりたいことなんて
ありません!
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
2018/03/23(金) 03:10〜03:40
関西テレビ1
恋は雨上がりのように[字]
はるかはあきらにある事を告げる為、行動に出る。一方、ちひろと語り合った近藤は、小説への想いの正体を掴み始める。ぬかるんだままの道へと一歩踏み出すのは―
詳細情報
番組内容
陸上部のエースだったが怪我で走ることをやめてしまった女子高生・橘あきら(17歳)と、夢を諦めた過去を持つあきらのバイト先、ファミレス「ガーデン」の店長・近藤正己(45歳)。海辺の街を舞台に、青春の交差点で立ち止まったままの彼女と、人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなすものがたり。
胸が熱くなる瞬間を、本当は誰だって待ってる――。
出演者
橘あきら(CV:渡部紗弓)
近藤正己(CV:平田広明)
喜屋武はるか(CV:宮島えみ)
西田ユイ(CV:福原遥)
スタッフ
【原作】
眉月じゅん(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)
【監督】
渡辺歩
【シリーズ構成】
赤尾でこ
【キャラクターデザイン・総作画監督】
柴田由香
【音楽】
吉俣良
【オープニング・テーマ】
CHiCO with HoneyWorks「ノスタルジックレインフォール」
【エンディング・テーマ】
Aimer「Ref:rain」
スタッフ2
【アニメーション制作】
WIT STUDIO
【制作】
アニメ「恋雨」製作委員会
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ