2018/05/28(月) 00:55〜01:25 NNNドキュメント「安住の地はどこに〜札幌・11人死亡火災〜」[解][字]

♪♪~

サイレン)
<今年1月→
札幌市で起きた共同住宅の火災>
<築50年近い木造の建物は→
あっという間に炎に包まれた>
<この火災で
入居者16人のうち→
11人が死亡>
<奇跡的に命を取り留めた人達は…>
<入居者の多くは
生活に困窮した高齢者>
<今

 こうした住宅での火災が→
全国で相次いでいる>
<去年5月 北九州市では→
生活困窮者らが暮らす
築50年以上の木造アパートで→
放火の疑いもある火災が発生>
<6人が死亡した>
<さらに8月には
秋田県横手市でも→
生活困窮者らが住んでいた→
築40年ほどの木造アパートが全焼>
<5人が死亡している>
<なぜ繰り返されるのか>
<札幌の火災では

ある問題が浮き彫りに>
<その住まいに→

救いの手は届いていなかった>
<それでも…>
<行き場を失った人達がたどり着く安住の地が→
脅かされている>
<間もなく初夏を迎える→
北海道札幌市>
<住宅街に今は更地となった一画がある>
<その場所が炎に包まれたのは→
まだ雪が降り積もる4か月前のことだった>
<今年1月31日
 深夜>
<共同住宅

 そしあるハイムから火の手が上がった>
<建物は
 一部3階建て→
築50年近い
 木造モルタル造り>
<真冬の乾燥した空気に→
火は瞬く間に燃え広がった>

警察官) 下がってくださいすいません下がってください。
<燃え盛る建物の傍らに→
1人の女性が座り込んでいた>
<1階に住んでいた…>
<出火当時は すでに眠りについていたという>
<救急隊員に
支えられて歩くのは→
本間光雄さん
 67歳>
<2階から飛び降り

一命を取り留めたものの→
肋骨を折る重傷を負った>
<火は 5時間以上燃え続け→
建物
 およそ400mが全焼>
<40代から80代までの→
男女11人が亡くなった>
<そしあるハイムは
旅館だった建物を借り上げ→
10年ほど前から
部屋を貸していた>
<2階には
 飛び降りて骨折した本間さんら→
11人が生活し
このうち 9人が死亡した>
<1階には髪が燃えてしまった
吉村さんら5人が住み→
2人が死亡>
<消防は 激しく燃えていた1階 真ん中付近を→
出火場所とみているが→
火災の原因は今も分かっていない>
<そしあるハイムの入居者は
16人中 13人が→
生活保護を受けていた>
<管理費8000円>
<2万円を追加すれば
1日3食の食事が提供された>
<そして
 入居者の誕生日には→
別の建物にある食堂に集まって

パーティーも>
<家族のように
支え合って暮らしていた>
<近所の人も→
穏やかに過ごす入居者の姿を目にしていた>
ホントに…

…だと
 私は思ってるんで。
<そしあるハイムを
運営していたのは→
路上生活者らを支援する
民間の会社 なんもさサポート>
<防火対策に
問題はなかったのか>
<そしあるハイムは下宿として
消防に届けられていた>
<火災報知機や
消火器は設置され→
違反はなかった>
<設置義務のないスプリンクラーは→
費用も高く
取り付けていなかったという>
<なんもさサポートでは→
今回 火災に遭った建物以外にもアパートの部屋などを借り上げ→
生活困窮者ら230人に
住まいを提供している>
<入居者からの注文を受け
弁当も配達>
<他にも

 病院への送り迎えなどサポートに追われる日々だが→
スタッフの数は
 わずか7人>
<月給は
12万円から15万円ほどだ>
<代表の藤本典良さんは→
[外:C01D2BAFCE469DA1ABBB612FDB16C1E3]路上生活者>
<同じ境遇の人を救おうと
事業を続けている>
<だが…>
<資金難から 火災に弱い→
老朽化した木造住宅を
使わざるを得ないという>
<札幌市は
こうした民間業者の実態を→
把握していたのか>
<この時 市は→
民間業者の数すら
把握していなかった>
<その理由は…>
<下宿として届けていたそしあるハイムのような住宅が→
福祉施設に該当しないからだ>
<これは 札幌市の組織図>
<生活困窮者→
高齢者 障がい者と→
施設を担当する部署が
分かれている>
<国の福祉制度が→
対象者ごとに分かれているためだ>
<しかし

 そしあるハイムのような住宅は→
年齢を問わず
さまざまな境遇の人を→
長期間
 受け入れているためどこにも当てはまらないという>
<縦割の福祉制度から外れた→
生活困窮者達の住まい>
<行き場のない人達が
ようやく見つけた安住の地に→
救いの手は
 届いていなかった>
<札幌の火災から1か月半>
<別の民間団体が運営する→
函館市内の共同住宅>
<そしあるハイムの火災で一命を取り留めた→
中島
 勲さんと 本間光雄さんは→
なんもさサポートに紹介され
この住宅に移り住んでいた>

鈴の音)
<楽しかった
 仲間との暮らしを→
今も忘れることはない>
<76歳の中島さん>
<頼る家族は
 一人もいない>

番組スタッフ) 中島さんのごきょうだいとかは…。
そして…


<そんな中島さんが
大切にしているもの>
<それは→
30年前に亡くなった妻の遺影>
あと
 何もないんだから 宝物。
<一人
 また一人と家族を失った中島さんは→
10年ほど前に
傷害事件を起こし→
札幌刑務所に服役>
<出所後 なんもさサポートを紹介してくれたのは→
警察だった>
<あの火災で肋骨を折った本間光雄さん>
<妻と離婚した後
路上生活に陥った本間さんも→
警察に紹介され
火災の前日に入居したという>
<家族を失い
さまよい歩いた人生>
<共に警察に紹介され→
最後に たどり着いたのがそしあるハイムだった>
<なんもさサポートが借り上げた
別の共同住宅の一室には→
こんな人も>
(番組スタッフ)すいません STVです。
よろしくお願いいたします
3人で来ましたので。
<赤田一也さん

 61歳>
<生活保護を受けながら
暮らしている>
<そしあるハイムの火災は
赤田さんにとっても→
ひと事ではない>
<入居者としての思いも同じだという>
<軽い知的障がいがある
赤田さん>
<6年前
 帯広のホテルを辞め札幌に出て来たが→
仕事は見つからなかった>
<寝床にしていたのは→
雨風をしのげる
バスターミナルの階段>
<札幌で路上生活をする人は
およそ30人>
<寒さが厳しい冬は→
命の危険にさらされることもある>
<そんな路上生活に耐え切れず
赤田さんは→
市の生活保護の窓口に
助けを求めた>
<しかし
そこで返って来た言葉は…>
<紹介されたのは→
民間のボランティア団体が行っていた 炊き出し>
<そこで
 なんもさサポート知った赤田さんは→
スタッフの助けを借りて

ようやく→
生活保護を
受けることができたという>
<代表の藤本さんによれば
行政機関から直接→
困窮者の受け入れを
依頼されることもあるという>
<しかし
 札幌市の→
秋元克広市長は…>
<火災の後 札幌市の調べで→
なんもさサポートのような
民間業者の数は→
市内だけで69→
885人が暮らしていることが分かった>
<本来
 行政が担う弱者の救済を→
民間に頼っているのが実情だ>
<この日 赤田さんは→
11人が亡くなった
 あの場所へ>
<安住の地だったはずの住まい>
(赤田さん)成仏してほしいだけですね。
<火災から
 3か月余り>
<生活困窮者を支援する
函館の共同住宅>
<中島
 勲さんと本間光雄さんは→
新しい環境に

ようやく なじみ始めていた>
<14人が生活する
築40年の木造住宅には→
スタッフが常駐>
<そしあるハイムの火災以来→
防火対策には
特に注意を払っているという>
(スタッフ) 
回収しに来ましたよ~。
ご苦労さまです
 お願いします。
<あの夜を思い出し→
不安になる時もあるという中島さん>
<それでも
 ここが安住の地>
<国は今後
 生活困窮者の住宅の基準を明確化し→
防火態勢などの規制を
強化する方針だ>
<しかし
 防火設備を充実させれば家賃が上がり→
居場所がなくなってしまう>
<生活困窮者の支援に長年携わって来た→
奥田知志さんは
 こう語る>
<家族や
地域とのつながりが薄れ→
誰もが
社会から孤立しかねない 今>
<行き場を失った人達が

たどり着く→
安らぎの住まいを守りたい>
<熊本地震から2年>
<いまだ
 3万6000人が借り暮らし>
<被災者に
 今 何が起きている>
何も希望ないやと思いだして…

2018/05/28(月) 00:55〜01:25
読売テレビ1
NNNドキュメント「安住の地はどこに〜札幌・11人死亡火災〜」[解][字]

今年1月に札幌市で起きた共同住宅火災。なぜ11人もの犠牲者が出たのか。数少ない生存者の証言から被害が拡大した背景と、弱者を救えなかった福祉の現実を追う。

詳細情報
出演者
【ナレーター】
奥田民義
番組内容
「もう死ぬと覚悟していた」。炎が迫る部屋から救出された女性は恐怖の瞬間をそう語った。古い木造の建物は瞬く間に火に包まれ、11人が死亡する大惨事となった。共同住宅を運営していたのは生活困窮者を支援する民間の会社で、犠牲者の多くが生活保護を受給する高齢者だった。行き場のない人たちが身を寄せ合って暮らしていた共同住宅。その安住の地が火災の危険に脅かされている実態が浮き彫りになってきた。
制作
札幌テレビ


ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント