2018/07/25(水) 00:40〜01:30 NHKスペシャル「中国“法治”社会の現実 弁護士」[字][再]


厳しく監視されています。
幼い息子は 幼稚園への入園を

断られ続けていました。
李さんに対する締めつけは
厳しさを増していました。
去年秋 李さんは
監視される自宅を離れ→
北京から遠く離れた
ふるさとに戻っていました。
1年ぶりに
実家でくつろぐ李さん。
私たちのインタビューに
応じたあとの事でした。
地元の警察が 通報を受けたとして
突然 踏み込んできました。
人権派弁護士や その家族に
圧力を強める中国政府。
そこには
ある危機感がありました。
習近平指導部が発足した


2012年ごろ→
共産党への信頼は
大きく揺らいでいました。
経済成長の中
権利意識を高めた市民が→
各地で 環境問題や役人の汚職に
怒りの声を上げていました。
中でも 衝撃を与えたのが→
沿海部の江蘇省で起きたデモでした。
地元政府の開発計画に
反対した住民 1万人近くが→
政府庁舎を占拠する事態に
発展したのです。
こうした市民の不満を解消し
社会の安定を図るために→
習近平指導部が掲げたのが
法治の徹底です。
政府が設けた法律相談所では→
労働問題や財産を巡るトラブルなどに→
弁護士が対応しています。
中国の弁護士の数は増え続け今や 36万人に上ります。
一方で 弁護士の活動は
共産党に厳しく管理されています。
習近平指導部が定めた
法治を推し進めるための指針です。
弁護士は 共産党の指導を
受け入れなければならないと→
強調されています。
市民の権利を守るために→
当局を訴える事も辞さない

人権派弁護士は→
1,000人にも満たない存在です。
しかし その活動は共産党の統治を揺るがしかねないとして→
当局に警戒されているのです。
中国の人権問題を調査する香港の専門家です。
709事件のあとも→
人権派弁護士への締めつけは広がっています。
余文生さんです。
拘束された王全璋さんの弁護人を引き受けていました。
見せてくれたのは
弁護士資格の証明書です。
所属事務所の名前が 当局により
修正テープで消されていました。
去年7月 余さんは→
10年以上勤めていた弁護士事務所から→
突然 解雇されました。
中国の規定では 弁護士は事務所に所属しなければ活動できません。
その状態が半年続くと
弁護士資格は取り消されます。
弁護士活動が 日に日に
難しくなっている余さん。
この日は 役人の汚職を暴いた事で
脅迫されているという→
男性の相談に乗っていました。
弁護士を続けるため 残された道は個人事務所を開く事でした。
ところが その申請を
しようとした時の事でした。
今度は 行政のシステムから
自分の名前が消されていました。
追い詰められる夫を助けるため

妻の許艶さんは→
自らも弁護士になろうと
司法試験を受け続けています。
3度目の挑戦が迫っていました。
試験当日。
余さんが会場まで送ります。
いつまで 自分が弁護士でいられるのか分からない。
余さんは 妻に
僅かな希望を託していました。
厳戒態勢の北京。
アメリカのトランプ大統領が初めて中国を訪れました。
外国メディアが集まり
世界の目が注がれていました。
この時 王全璋さんの妻
李文足さんの自宅で→
異変が起きていました。
李さんが撮影した映像です。
自宅の前に 住民のようにも見える
男たちが現れました。
私服の警察官です。