2018/07/26(木) 01:00〜01:50 NHKスペシャル「“ともに、生きる” 障害者殺傷事件 2年の記録」[字][再]
刃物で次々と刺していきました。
無残に命を奪われた
19人の犠牲者。
差別や偏見を恐れる
遺族の意向などから→
今も名前は明かされていません。
亡くなった26歳の女性です。
母親が娘への思いを
手紙で寄せてくれました。
「毎日
思い出がよみがえるけれど→
いっしゅんで
あわの様に消えてなくなり→
涙がこみあげて来てしまいます。→
被告には 自分のしたことを認識し罪をつぐなってもらいたい」。
19人が殺害され 27人が
重軽傷を負う惨事に見舞われた→
やまゆり園の人たち。
私たちは 事件後から→
入所者や家族の姿を
記録してきました。
事件から3週間後→
傷を負った息子を見舞う夫婦がいました。
う~!
息子の一矢さんは首や腹など5か所を刺され→
一時 意識不明となる
重傷を負いました。
事件のショックから
興奮状態になる事もありました。
うるさいよ!
事件後やまゆり園は建て替えが決まり→
入所者たちは 別の場所で
生活する事になりました。
あれから2年がたち 一矢さんに
大きな変化が生まれています。
こんにちは!
こんにちは。
かなり皮膚が弱ってるな。
お母さん 薬…。
お母さん 持ってきたのかな? 薬。
以前は 尾野さんの仕事も忙しく→
親子が会えるのは
月に1回程度でした。
事件のあと
傷ついた一矢さんのそばに→
できるだけ寄り添ってきた
尾野さん。
親子で多くの時間を重ねる中
一矢さんは→
これまでにない 表情やしぐさを
見せるようになりました。
植松被告に 意思疎通ができない
心失者と決めつけられ→
命を狙われた人たち。
事件のあと 新たな一歩を踏み出した人がいます。
20年以上
やまゆり園で生活していた…
事件の時 隣の部屋にいた女性は
植松被告に殺害されました。
大きな衝撃を受けました。
智子さんは 歩き回る事が好きな活発な子どもでした。
しかし 突然 外に飛び出すなど
はいかいが ひどくなりました。
家族だけでは見られなくなり…
その後足をケガした事をきっかけに→
行動を
制限されるようになりました。
やまゆり園がつけていた…
事件前はほぼ毎日 車椅子に拘束され→
長い日は
12時間以上に及んでいました。
人手が限られる中→
見守りが難しいとされたためでした。
智子さんは 次第に 意思を
示さなくなっていったといいます。
事件後 神奈川県は
障害者の支援について→
新たな方針を打ち出しました。
やまゆり園の入所者が→
どのような暮らしを望むのか。
今後は 家族や周りの人の考えではなく→
本人の意思を尊重して
決める事にしたのです。
今年3月 母親と智子さんは→
この取り組みを進めている施設を訪れました。
専門性のある職員が→
智子さんの意思を丁寧に くみ取っていきます。
好きな飲み物を選ぶよう
勧められた智子さん。
見つめるだけで
手を伸ばす事はありません。
飲み物を口元に運ばれると
飲み始めました。
職員たちは
生活のあらゆる場面で→
智子さんの意思を
見ていく事になりました。
突然 立ち上がって
どこかに行こうとする智子さん。
職員は 行動をむやみに制限せずに