2018/08/06(月) 22:00〜22:45 NHKスペシャル「広島 残された問い〜被爆二世たちの戦後〜」[字]


生涯にわたる追跡を行ってきたのです。
ABCCが調査の対象にしたのは→

直接被爆した人たちだけではありませんでした。
被爆者から生まれた
子どもの世代に 何が起こるのか。
強い関心を寄せていたのです。
被爆当時まだ母親のおなかの中にいた→
胎内被爆者。
標準より頭が小さい小頭症や→
知的障害を
発症しやすい事が→
1950年代後半までに
確認されました。
ABCCは 親が被爆後に妊娠して
産まれた子どもたち→
被爆二世にも
調査の対象を広げていました。
プリーズ カムイン。
今回 その詳細が浮かび上がりました。
調査を指揮した遺伝学者…


去年 亡くなりました。
生前 自らの研究について
詳しく語った映像を→
残していました。
当時 世界中で注目されていた実験があります。
ショウジョウバエに
放射線を照射する実験です。
雄を被ばくさせ 交配。
子どもの世代に 何らかの異常が見られるのか確認します。
すると ごく一部に
目の色が違ったり→
羽が小さかったりするなど
突然変異が見つかりました。
アメリカは 被爆者の子どもにも
同じ事が起きるのか→
確かめようとしていたのです。
シャル博士の膨大な資料が残されていました。
調査の初期に撮影された
新生児の写真。
ABCCは
まず出産時の異常の有無を→
徹底的に調べていました。
♪♪~
被爆したのは 両親か→
それともどちらか一方の親だけなのか。
爆心地から どれほどの距離で
被爆したのか。
新生児 一人一人について
詳細な情報が集められました。
情報を集めるために

ABCCが活用したのが→
地元の助産師たちでした。
(産声)
当時 ほとんどの出産は
家庭で行われ→
助産師たちが
取りしきっていました。
そのネットワークを
生かそうとしたのです。
今回 見つかった
助産師たちとの会合の記録。
情報提供への報酬について
話し合われていました。
更に 異常があった事を
確実に知らせてもらえるよう→
ボーナスも用意。
条件を満たせば1件につき 最高200円。
今の金額で 1万1,000円が
支払われていました。
こうして 1948年から1954年までに
集められた情報は→
新生児 6万5,431人分。
そのうち異常出産は 594人。
割合は 0.91%でした。
同じ頃に 東京赤十字病院で行われた調査では→
異常が 0.92%。
出産時に限れば被爆による影響は→
認められませんでした。
遺伝的な影響は見つからなかったとした→
シャル博士。

だからといって影響はないと結論づける事はできないと→
記していました。
新生児調査では完全に否定されなかった→
遺伝的影響。
ABCCは 更に健康に生まれた被爆二世にも→
調査を広げました。
その時新たに対象になった一人が…
母の和子さんは 被爆者として→
既に調査対象となっていました。
上野さんは 高校1年生でした。
[TEL]
はい もしもし。
[TEL]こんにちは ABCCです。→
今日は お願いがありまして。
はあ 何でしょう?
[TEL]今度 娘さんの勢以子さんにも
血液検査を受けて頂き…。
あ~ 娘がね
今 留守しとるんですよ。→
はいはい。 はい ごめんなさいね。