2018/08/06(月) 22:00〜22:45 NHKスペシャル「広島 残された問い〜被爆二世たちの戦後〜」[字]


もうちょっと強く押さえます。痛くないですか。
今のところ 体に異常は
見つかっていませんが→
不安は常に感じています。
この調査が 「遺伝的影響として確認されたものはない」とする→
国の主張の根拠にされかねないと

複雑な思いを抱えています。
原爆の遺伝的影響はあるのか。
73年がたっても解き明かされない問い。
放射線影響研究所は→
最新技術を活用した研究を進めています。
放影研で数少ない
広島出身の研究者。
原爆投下後の街に入った母親は→
被ばくしている疑いがあるといいます。
周りには
健康不安を抱える人も多く→
遺伝的影響への懸念は
いつも身近にありました。
中村博士たちは 最先端の
DNA分析技術を使って→
遺伝的影響を探る実験を
行っています。
ヒトに近いとされる
マウスの遺伝情報 ゲノムを→
網羅的に解析します。
放射線はDNAを切断する働きがあり→
ゲノムの一部が欠ける欠失が→
世代を超えて受け継がれる事があります。
これまでの技術では


一部の遺伝子しか解析できず→
1グレイの放射線を浴びると→
1匹のゲノムに1個の欠失が生じる計算でした。
爆心地から
1キロ以内で被爆した人は→
1グレイ以上を浴びた人も
少なくないため→
不安につながっていました。
今回 技術の進歩によって→
ゲノムの140万か所という
圧倒的な数の解析が→
可能になりました。
その結果 欠失が見つかる確率は100匹のマウスにつき 1個に減少。
これが ヒトにも当てはまるのか→
これから 慎重に分析を進める事にしています。
中村博士は→
生き延びた被爆者の多くが→
爆心地から
1キロ以上離れた場所で→
被爆しているため→
その影響は 更に小さくなるのではないかと見ています。
被爆二世の上野勢以子さんです。
二世たちが起こした裁判の原告に自らも名を連ねました。
この日 訪ねたのは→
かつて 母が検査のために通った放影研。
調査記録が残されていると聞き
開示を求めたのです。
こちらの方がですね 私どもの方で
ご用意をさせて頂きました…
どうぞ お納め下さいませ。

ありがとうございます。
どうも ありがとうございました。
すいません。
たくさんありますね。
ありがとうございます。
失礼致します。
母が決して語ろうとしなかった被爆の体験。
(勢以子)いや…。
同じ被爆二世の弟そして 被爆三世にあたる息子と→
一緒に見る事にしました。
ABCCが詳細に調べた母 和子さんの被爆状況です。
その時 和子さんは→
国民学校の近くにあった自宅にいました。
爆心地からの距離は
およそ1.1キロメートル。
家の壁際に立ち 近所の人と
話をしている最中でした。
壁で熱線が遮られ
奇跡的に助かった母。
その後 炎が渦巻く街を抜け→
多くの遺体が浮かぶ川を渡って逃げたと記されていました。
「下敷きになったが 自力で脱出し
天満川に至り 濁流を泳いで…」。
記録には 放射線の急性症状に
苦しむ様子も記されていました。
母が あの日 遭遇した
壮絶な体験。
家族にも明かさず
たった一人で抱え込んでいました。
資料の中には→

まだ 母が子育てに追われていた頃の→
問診票もありました。
子どもたちには気丈に振る舞っていた母。
その思いに 初めて 触れました。
♪♪~
被爆地に残された問いに
答えるため→
今も 研究が続いています。
放影研の奥深くに→
マイナス200度の液体窒素で