。
(
ルリ子) どうぞ。
ようこそ
いらっしゃいませ。
(
もも:なな) いらっしゃいませ。
お邪魔します
。(市松) お座りください。
ももの父親です
月島市松と申します。
ルリ子でございます
。
風間直人と申します
。
娘から
話は伺いました。
荒川で自転車店を
経営されているとか。
経営というほどじゃありません
。
商店街で
しがない店を。
わざわざ
ご挨拶に来ていただけるとは→
娘と結婚を前提に付き合っている
そう考えてもよろしいのですか?
結婚ですか?
前提というより→
早々に式を挙げるつもりです
ね?
はい
。
フフ…
随分 慌ただしいのね。
まぁ
半年前の凶事があるから→
ももさんも
早く それを忘れたいんでしょう。
お母さん
。
(
市松) 風間さんお恥ずかしい話だが→
娘は
結納も済ませ→
結婚式当日まで行って
破談になった過去があります。
知ってます
。
(
市松) そうでしたか。
それに
恥ずかしい話とも思いません。
(
市松)それを聞いて安心しました。
では
君は月島家の養子に入ってもらえる→
そう考えて
差し支えありませんかな?
それは…→
できかねます。
何と?
しがない店ですが→
じいちゃんの代からの
自転車屋です。
私が
つぶすわけに いきません。
(
市松) ほほう おじいさんからの。
(
ルリ子) あなた 月島家が 一体何百年 続いてるか ご存じ?
それは関係ない
月島のことは よそ様には。
(
市松) そうはいかん。
風間君
ももは いずれ 私を継いで→
家元になる可能性が
極めて濃厚なんです。
もちろん次女もおりますが→
才能 技量到底 姉に及ぶものではない。
お家元
。
その判断を下すのには
猶予を頂いたはずです。
判断も何も
私にはそんなつもり ありません。
風間の姓を頂くつもりです
。
性懲りもなく…
月島の名を捨てるのか?
性懲りもなく
そうさせていただきます。
月島ななを次の家元にと
お願いいたします。
お姉ちゃん
。
それはお前が決めることではない
。
いえ