おはんの力が必要なんじゃ！
おいは　ついていけん。

じゃったら　しかたがなか。
おいは　一人でやる。
吉之助さぁ！
よっしゃ！　おはんら
おいも入れてくいやい！
おはんらが見たこっもなか
ふっとか鰻を捕まえてやっど！
のう！　そっちじゃ　そっちじゃ。
（ため息）
あっあっ　逃げた！　逃げた！
こっち　こっちじゃ。
♪♪～
とれた　とれた　とれた！びくじゃ　びくじゃ　びくじゃ！
（岩山トキ）糸！
（糸）はい！
（トキ）ないをしちょっとな
そげん所で。
あっ…　申し訳あいもはん。


あ～　さっさと歩かんね。
荷物持ちで連れてきたのに
こいでは　おはんが荷物じゃっ。
すんもはん。
とった～！　あ～っ！
＜その夜　吉之助の帰りを祝う
うたげが開かれました＞
（海江田）じゃっどん　一人で
岩国の城に乗り込んだとは→
恐れ入った！
んにゃ　相手も侍　こっちも侍。
ひとかどの侍は
一人で乗り込んできた相手を→
斬りはせんどが。
（大山）なるほど　吉之助らしか。
（熊吉）若さぁの肝は
どこまで　ふっとくなるやら。
おはんの腹もじゃ。
（笑い声）
いや　おいの腹もか！
じゃじゃ！
そいより　ないごて一蔵は
面を見せんとじゃ？
吉之助さぁの大出世を
ひがんじょっとじゃなかか？
ないを言うとじゃ　俊斎どん。
一蔵どんはそげん小さか男じゃなか。
んにゃ　あいは
そういうとこがあっど。
よかで　もう…。

酒が　まずくなるわ。
（琴）さあ　兄さぁ
腹いっぱい食べてくいやんせ。
お園さぁと　こしらえもした。
あいがとのう。
はい。　こげん立派な
義兄上のおられる家に→
嫁に来させてもろて
まっこて　あいがとさげもす。
ないも。
礼を言うのは　こっちじゃ。
琴たちも　みんな嫁に行って
女手がなか家に→
お園どんが来てくれて
大助かりじゃ！
赤子まで授かっての。
まっこて　めでたか！
（吉二郎）はい。
（琴）兄さぁ！
お願いがあいもす。
何じゃ？
兄さぁも嫁を取ってくいやんせ。
急に　ないを言いだすっとじゃ。急ではあいもはん。
私は　ずっと　ず～っと
そげん思っちょいもした。
琴…　よう言うた！
吉之助さぁ　おいたちも見て見ぬふりをしちょった。
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の看板男が　妻をめとらんち
どげんこっか！
じゃじゃ　兄さぁ！　西郷家の…

んにゃ　[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の恥でごわす！
兄さぁが[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩におる間に
よか人を探しもんそ！
んにゃ　おいは
今　そいどころじゃなかで。
そうじゃ　そうじゃ！
「善は急げ」ち申しもんで。→
さあさあ　皆様
どんどん飲んでくいやんせ！
大山さぁ。
おう！　では。→
吉之助に　よか相手が見つかるよう
チェストこ～い！
お見合いの女子ん衆に
申し上げもす。
西郷吉之助は
逃げも隠れも致しもはん！
じき　お城から戻られもんで。
原良村の下豊留さぁ末娘で気働きがよか。
（下豊留）西郷家のため