2018/08/19(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「届かなかった手紙 時をこえた郵便配達」[字]
死の間際でなお自分を心配してくれた兄。
届いた手紙で それを知りました。
届かなかった日本の兵士たちからの手紙は→
戦った相手国 アメリカに
数多く眠っています。
アメリカ軍は
日本軍の情報を得るため→
手紙を接収し
本国で分析していたのです。
所蔵された中の一つ
遺言書と書かれた手紙。
宛先の住所はなく
中には1枚の紙だけ。
差出人の名は 渡部 昇。
調べると ガダルカナルで戦った部隊の少尉だと分かりました。
力強く書かれた遺言でした。
「純一無雑。→
悠久の大義に生きるを
無上のよろこびとなす。→
一門一家の向上発展を祈る」。
渡部さんが戦ったガダルカナル島。
アメリカ軍の攻撃によって
日本軍2万人が戦死。
開戦以来 最も多くの
犠牲者を出した戦場でした。
遺言は 次のように続いています。
所属した部隊を調べたところ渡部さんの故郷は→
福島の会津地方だと分かりました。
今も家族が暮らしていました。
こんにちは。
NHKの松島です。
兄の出征当時 6歳でした。
軍服を着た りりしい兄の姿が忘れられません。
しかし 手紙も写真も
一枚も残っていないといいます。
こちらになります。
初めて目にする 兄の遺言。
自分の事が書かれていると
気付きました。
独身だった兄にとって
「小供達」とは→
自分たち 妹や弟の事。
兄が最期まで気にかけてくれていた事を知りました。
最後のあれん時
突撃をやる前の…。そうだな。
もうだめだと思っただべな。
渡部さんが死を覚悟した戦場。
部隊の記録によると→
渡部さんらは 5倍を超える敵に銃剣で突撃。
部隊の9割が戦死し→
渡部さんも命を落としました。
遺言で焼却を求めていた柳行李。
もしかしたらどこかにあるのではないか。
手付かずだった
蔵の奥を探しました。
あればいいがな。
おっ あったぞ。ある?あった あった。
重い。
重い? あっそう。
見つかりました。
名前も書かれています。
♪♪~
(泣き声)
写真 なんか出てきたぞ。
兄の写真です。
これまで僅かな記憶しか
残っていなかった兄の姿が→
写っていました。
そして…。
(泣き声)
兄が軍事訓練の時に履いていた革のブーツ。
ようやく届いた
戦場からの手紙が→
出征を見送った日の兄の記憶を
よみがえらせました。
♪♪~
「お元気でいらっしゃいますか」。
戦時中 子どもたちは→
前線の兵士への激励の手紙を書くよう指導されました。
軍事郵便のポスターが
街角に貼られ→
政府が主導する軍事郵便博覧会が
開かれました。
軍事郵便は 戦意高揚をはかる
国策でもありました。
年間4億通に達した手紙。
故郷からの便りは兵士たちを奮い立たせました。
戦地の兵士を励ます
女学生からの手紙。
銃後奉公会から兵士への激励。
日本から戦場へ送られた軍事郵便の中には→
兵士の家族が 故郷の
何気ない日常をつづったものも→
数多くありました。
一人の日本兵に宛てた34通もの手紙が見つかりました。
宛名は全て 西 春市。
福岡に住む家族や親族が送った手紙を→
西さんは硫黄島の戦場で
携えていたようです。
日本の本土を