不思議な行動>
<いったい
何を見ているのか?>
<アカマツ係長は 直感した>
<刑事の 一人が彼らの動きを 確認するため→
ひそかに 車を降りて
後を追った>
<彼らは
まったく 尾行に気付かず→
ひたすら 辺りを うろつく>
<ひとしきり オフィス街をうろついた 中国人たちは→
この後 三ノ宮駅前の
ビジネスホテルへと 入っていった>
<彼らの根城が 割れた>
<だが 宿泊名簿には→
住所も 名前も
架空の人物が 書かれていた>
<彼らが 乗っていた車が
レンタカーであることも 分かった>
<車を 借りに来たのが
中国人ではなく→
千葉に住む 日本人だった>
<アカマツ係長は ホテルで張り込む刑事たちを 現場に残し→
対応を協議すべく
急きょ 署に戻った>
<協議の結果
張り込みを中止し→
刑事たちを いったん
署に戻すことと なった>
<せいては 事をし損じる>
<まず 中国人たちの身元の割り出しを 急ぐことにした>
<だが その夜
犯行は 繰り返された>
<場所は 彼らが 昨日
うろついていた オフィス街>
<手口は いつもと同じ
バールによる 犯行>
<やつらだ。
もう 疑う余地はない>
<この時点で 事件は→
県警本部 捜査3課が 中心となり合同捜査班が 結成された>
<同じ手口の犯行は
明石や 姫路など→
兵庫県 全域まで
広がっていたのである>
<全国の警察が
彼らを追っている>
<だが それだけ 逮捕するのが
難しいことも→
刑事たちは よく 知っていた>
<ヒメノ係長以下4人の刑事たちが→
彼らのいる ホテルの
隣の部屋を借り→
張り込みが 始まった>
<彼らを尾行し犯行に 及んだところを→
現行犯で 取り押さえる
作戦である>
<張り込みが 始まって 間もなく
中国人たちが 動きだした>
<犯行に 向かうのか?>
<いよいよ 刑事たちの追跡が開始された>
<ヒメノ係長も
その一人を 追った>
<追う者。 追われる者。
初めての 接近 遭遇>
<密室の中で デカと 容疑者の
距離 わずか 30cm>
<この 小柄で きゃしゃな男が→
あの 連続金庫破りの犯人なのか?>
<男の尾行を 続ける
ヒメノ係長>
<時を同じくして
他の中国人 3人も→
相次いで ホテルの部屋を
後にした>
<犯行に 及ぶのか?>
<と 突然 男が 走りだした>
<尾行を 警戒するために
犯罪者が よく 取る行動だ>
<無理して ついていけば
尾行が バレてしまい→
全てが 水の泡>
<ヒメノ係長は新たな作戦を 取るため→
刑事たちを
ホテルに 呼び戻した>
<レンタカーを借りた 千葉県の男は
すでに チェックアウト>
<4人の中国人が
もし 犯行に 及んだのであれば→
盗んだ荷物を 持って
ホテルに 戻るはずだ>
<そのときを 押さえようという
作戦である>
<ところが あろうことか→
4人の中国人が ホテルの中から出てきたのである>
<いったい これは
どういうことか?>
<刑事たちが 張り込んでいる
入り口を 通らずに→
ホテルの中に 入る方法は