2018/08/27(月) 15:50〜17:53
新人の最初に乗り越えなければな
らない試練、それは、
夏の暑さとの戦い。
>>ただ見てるだけやったら、格
好いいなしか思わなかったんです
けれども、やってみるともう、め
ちゃくちゃしんどくて、
地獄でしたね。
>>さらに西日本を襲った記録的な集中豪雨で、
保津川が大増水。
大雨から3週間がたっても、
陸揚げされたままの船。
夏の保津川下りが大ピンチ。
>>出ないと技術的にも体力的に
も追いつけないんで、悔しいです
ね。
>>集中豪雨に連日の猛暑、
さまざまな困難に立ち向かい奮闘
する、
保津川下りの新人船頭。
超過酷な真夏の仕事ぶりをノゾキミ、ノゾキミ。
京都府亀岡市にある保津川下りの
乗船場。
ことし春、
保津川遊船企業組合に就職し、
船頭の仲間入りを果たした大淵貫
綜29歳と。
青山宗太20歳。
1年目の船頭の役割、
それは船の前方でさおをさし、
船を前へ進めるさおさしと呼ばれる仕事。
>>これ、やばいな。
しっかり張れ。
しっかり張れ、
もういっちょ。>>すみません。
>>さおさしが不十分だと、
船が川の浅瀬に乗り上げたり、
岸と接触したりと危険が伴う。
>>すみません。
>>この岩当たるでと思ったとき
は、
ばっと返して、ばっとやれば、
かじ持ちは、
うん?って思ってそれに合わせて
いって、そういう判断もしていか
んとあかんしな。
もう何があかんのかちょっと分かってないのかも分からんな。
まあ何回も言うてますけどね。
両方均一な太さになるように。
>>新人船頭は学ぶことが山ほど
ある。
今度は縄のない方を指導される青
山。
>>細いなと思ったほうに足す。
もうちょっと、ちょっとあかん。
全然違うやろ、ここと。
>>ここのときにしっかりと力を入れて、
ぐっと縛って、
絞っとかな、緩い緩い、ふにゃふにゃのやつになってしまうから。
太くなって。
>>実は、この2人は親子。
>>硬いな。
>>どうして船頭になろうと思ったの?
>>一番の理由は、
やっぱりおやじがその仕事をしているところを見て、
仕事ぶりもめっちゃかっこよくっ
て、絶対この仕事しようっていう
のを、小学校ぐらいに思いました。
>>ところが父は。
>>反対はしました。
仕事はしんどい、
災害になると長くお休みになる。
それやったら、
安定した仕事には就いてほしかっ
た。
>>大人になり初めて知った父の
本当の思い。
青山は収入の安定を求めるため、
当時、
話のあった陸上自衛隊へ入隊する
ことにした。
>>自分なりに自衛隊でのやりが
いを、
模索しながらやってたんですけど、
やっぱり、
こっちの、
ちっちゃいころから憧れてたっていう夢が、抜けなかったですね。
>>生活の安定よりも自分の夢を
選んだ青山。
今は先輩から指導を受け、
偉大なる父の背中を追い続ける。
保津川下りは通常、
3人体制で船を操る。前方にいる2人の船頭が、さおを
さしたり、
オールをこいで船を前に進め、後ろにいる船頭がかじを取る。
>>頑張ってねー。
うれしかった。
頑張ってくださいね。
>>はにかんだ笑顔が初々しい、
ことし3年目の畑中彰仁21歳。