ほかの仕事が終わって
バタバタの中、駆けつけて
あっという間にかつらをやって
衣装を着てセットの中にいたのね。
大河のセットって
圧がすごいんです。
なんと言ったらいいのかな。
入ってみたら分かるんだけど
これから演じようと思って入ると
別世界に持っていかれるくらい
セットがすごいんですよ。
さっきもね
スタジオに行って偶然
美術さんがいたのでひと言で
ほかのものと違う
大河の美術のよさを
言ってみてと言ったら
出てこなかった。
だけど、やっぱり一生懸命時代を
再現しようとする思いと
素材といろんなものが重なってるなと思うんですけど。
バタバタの中でセットに入った
とたん、すげえ緊張しちゃって。
さっきお殿様と会話したでしょう。
せりふも出てこなくなっちゃってなんだっけって。
そのまま
はいはいって言って立ち上がって。
ふすまが下にあったんですけど
あれを上をつかんじゃったりわけ分からなくなっちゃって
てんてこまいになって。
段取りがあったんですけど
終わったあとにやばいと思って。
大河のセットって圧が強いから
緊張しちゃうんだと思って
もう一度
セットのところに行って
全部、見渡して
役にのめり込んで
自分の中に加えてから
本番になってなんとか
終わったという感じです。
渡辺≫そんなに遠藤さんが
緊張するほど圧がすごいんですね。
遠藤≫取り組む期間とか
姿勢とか違うんでしょうね。あっという間に
違う世界にぐいっと。
時代劇なんで、年がら年中
やっているわけではないので
心してかからないとね。
やばいんだよね。
原口≫ちなみに本番は
1回でOKだったんですか?
遠藤≫とりあえず1回で
大丈夫だったと思います。
渡辺≫何回もね80回ぐらいやったって言ったら
緊張されているんだな
ということだけど。
遠藤≫俺ほかの現場で
19回やったことあるんだよ。
エキストラさんに
頑張れって言われた。
50過ぎていたんだよ
ベテランの年ですよ。
すごいことがありましたけど。
渡辺≫セットを見るとセットっぽくないですよね。
本当にお城で撮っているのか
なっていう感じがするぐらい。答えはセットに緊張した
ということですか?
遠藤≫なめちゃいけないよって。
ばたばた来て、ばたばたやれる
ものではありませんよって
芝居とは。
足立≫もちろん勝海舟を演じる
ために事前に勉強されてる部分も
あったんですよね。
遠藤≫インする前にね。
ただ、俺ね歴史が若いときに
学校でちゃんと
勉強してこなかったから
好きでもなかったので
何も知らないんですよ。
毎回、大河ドラマをやるときは
俺の中学時代の同級生が
高校の教師で歴史を
教えているんです。
その彼と会って1から
その時代のものを勉強して
ノートに自分で書き込んだりして
その時代の流れを
教えてもらいながら
あとはそれ以降、自分で
資料を見てみたり
映像を見てみたりして。
渡辺≫1回、授業を受けるんです。
遠藤≫今回もそうなんだけど本の名前は言えないですけど
こんな分厚い6冊のやつを
勝海舟が主演の小説なんですけど
それを見て勉強していて
6冊あるので、なかなか
読み切れないうちに