い時代に、
世界の珍しい昆虫を見ることがで
きる。
狙いどおり、ジャポニカ学習帳は
大ヒット商品となった。
以来、40年にわたり、
1人で表紙を撮り続けている山口カメラマンにも話を聞きたいと、
お願いすると。
>>なんかダメそうですね。残念。
>>うちが送ったメールは、
1か月は返ってきていない状態なんで。
>>1年間の3分の2を海外のへ
き地で撮影しているため、ショウ
ワノートの人でも、めったに連絡
が取れないらしい。
時には、撮影中に骨折をしたり。
いきなり拳銃を突きつけられ、財布やパスポート、
カメラに撮影したフィルムまで奪
われてしまったこともあるという
。
危険を冒してでも、たった一人で撮影を続ける山口さん。
その原動力を、雑誌の取材でこう
答えている。
>>毎回が感動なんです。
まだ文献でしか存在を知らない相手を撮りに行くので、
それが自分の前へ現れたときの驚
きや喜びは、衝撃にも近い。
自然の不思議さ、おもしろさ、
子どもたちが本能的に持っている好奇心を刺激したいなと思ってい
ます。
>>写真だけでなく、
ノートの内側にある、
ミニ辞典を書くのも山口さんの仕事。
中には、
世界的にも貴重な昆虫の生態が記録されている。
こちら、
ピンクの花のように見えるが、
実は、かまきり。
花と勘違いして寄ってきた虫を狙っているのだ。
独特な模様が特徴のテングアゲハ
は、ヒマラヤで撮影。
その生態はほとんど解明されてお
らず、特に、
雌の姿を捉えたのはこれが世界初
ともいわれていた。
こうしてジャポニカ学習帳の代名
詞ともなった昆虫の表紙。
>>誕生から48年。
一世をふうびしたジャポニカ学習帳に大きな転機が。
>>えっと、先生、それはどうい
うことなんですか?
>>ごめんなさい。
子どもたちが、虫が怖いって言う
もんで。
ノートをしまってしまって、授業
にならないんですよ。
>>近年、昆虫が怖い、
気持ち悪いという苦情が親や教師
から急増。
2012年、
ショウワノートは昆虫の写真を当面、表紙には使わないという決断
を下したのだ。
>>学校訪問しながら、
先生方に、私はいいと思うんだけ
ど、子どもたちが嫌がると、
やっぱりその学習帳を持ちたがら
ないと。
寂しいですよね。
>>大好きな昆虫から、
花を撮ることになった山口さん。
その思いを、こう語っている。
>>虫を否定することは、
命をつなぎ合う糸を断ち切ること。
虫を嫌う風潮が心配です。
>>こうして、表紙から姿を消し
た昆虫たち。
しかし、3年後。
復活を願う声に応え、数量限定で
復刻版ノートが販売。
即日完売の大人気となった。
時代とともに歩み続けるジャポニカ学習帳。
その歴史を作った山口さんは、
きょうも地球のどこかで昆虫を撮り続けている。
>>さあ、丸ちゃん、いかがでし
た?
>>だから、花になったとき、お
っ、山口さんと思ったんですけど
、
花も撮るっていう、すごい間口が広い、愛の深い方なんだなと思い
ました。
>>だからよけい、虫ってものを
否定しないでほしいっていうね、
気持ちもありますけれども。
>>復活してたんですね。
ちょっと安心しました。私も虫は
苦手ですけど、だからってね、
なんか全否定するのも。>>両方出したらいいのにね。
>>でも、珍しい生き物を表紙に
するっていうシリーズだったら、
また新宿2丁目来ていただければ