カメと違って。
◆あの首が入るための空洞になっ
ているわけですね。
◆泥に潜るので、横から攻撃され
ることがないんで、下からとか。
上から攻撃されないんで、手足を
守る必要がないんですよ。
カメと違って。

◆よう知ってるな。
それ、ほんまの話ですか。
◆多分ねって。◆進化の過程で言うたら。
そのかわり、
泥に潜るので、
餌をとったりするので、
首を出さないといけないんです。
だから首を伸ばすことを優先で
考えて、こういう形になっていった。
◆ここ、新しいんちゃうの？
◆建てかえたんですよ。
７年ほど前に、火事で燃えてしま


って。
◆ここが？
あら、また。
◆店自体は４０年ほどさせてもら
っているんです。
◆ここで？
◆そうです。
◆入らせてもうていいですか。
◆どうぞ。
◆これ、すごいわ！
ええやんか、ここ。
なるほど。
これはええわ。
◆滋養強壮の代名詞とも言えるス
ッポン料理。
その歴史は長く、縄文時代には、
既に食されていたそうです。そんなスッポン料理のお店として
智義さんのお父さん、
義兼さんが
４０年前に創業し、
現在二代目を務めるのが
智義さん。
今から１０年前に代がわりをするときには、
いろいろあったそうで…。
◆高校の１年で
中退しまして、
そこから転々と…。◆ちょっと待って。
高校１年から中退して、
普通やったら、
スッポンの料理人の…。

◆だから高校１年の…。
◆何のために中退したんですか。
◆遊びすぎて、
おまえアホやからやめろって
言われました。
それで、おやじと話して。
◆おやじ、怒ったでしょうが、
お父さん、お母さんは。
◆いや、おやじはそんな怒らなかったですね。
◆へえ。
◆でも、
学校行かせてやったかわりに仕事
をせずに、
飯を食わしてやったんや。
うちの家訓は、
働かざるもの食うべからずやから、
食いたかったら働けと。◆それやったら、ここの、いうた
ら、弟子入りしたらよろしいやん。◆いや、ここにおったら、
甘えてしまうし、
ちゃんとならんやろと。
でも２０歳すぎぐらいに帰ってき
て、そこから、一緒に仕事をする
んですけれども、基本的にちょっ
と、ようけんかするんで、おやじ
と。
◆けんかするって、また、きょう
は、６時から言うのを、８時から
来たりとかでしょう。
◆そんなんもありますし。
◆あんのんかいな。

一番大きいけんかはどうなんですの？
◆一番大きいけんかは、やっぱり、僕も外でいろいろなおつき合いを
勉強しないといけないので、ちょっと異業種のところと顔を出
したりしてたんですよ。
そのときは、僕ちょっと休みやっ
たんですけど、ちょっとここに出
るから休むって。
休んで、そこの会議とかに出て、
懇親会みたいな、日ごろ、何かあ
ったら困るから飲まないんですけ
ど、
その日はちょうど休みやしええか
…と思って。
◆懇親会もあるし。
◆どうしても、という状態で、
ちょっと１杯飲んだんですよね。
１杯飲んで、
帰るわ言うて、店顔出したときに、
いっぱいで忙しくなってたので。
おやじもカーッとなっているのが