思ってる。
◆優しいですねえ、お母さん。
だって、こっちもいっぱいですよ。
◆そうやろ。
◆優し過ぎますよ。
２５０あるんでしょう？
◆お父さんね。
これが生きがいみたいなもんやか
ら。
◆そうかあ。
お二人はどういうところで出会い
はったんですか。

◆えっ？
◆出会いは？
◆えっ、出会い？
◆もう古い話やと思いますよ。
◆高校２年のときや。
◆えっ！？
◆もう５０年になる。
◆同級生？
◆１つ上の先輩やった。
◆１つ先輩で。
◆そんなこと聞くんかい。
◆高２のときに、
一つ後輩に手を出したんやったら、
お父さん、不良ですやんか。
◆手はつけへん。
◆ほんまですか。
どうやって、学年、違うのに。
◆私ら、クラブ活動でバレー部に


入ってたわけ。
◆女子バレー部でしょう？
◆そうそう。◆男子バレー部でしょう。
お母さん、やっぱり格好よかった
んですか。
◆ちょっとかっこよかった。
◆背も高いしね。
◆色も白かったしね。
◆昔の写真ないですか、学生のこ
ろの。
◆えっ？
◆見せられへん…。
◆あるのはある。
◆見せてくださいよ。
見たい。
とってこんかいな。
◆格好ええ。
お父さん、
亭主関白やないですか。◆お母さん、かわいいですやんか
～。
めちゃくちゃかわいいですよ、
お母さん。
お父さん、めっちゃ男前やわ、
これ。
うわあ！
学生のころから一緒やったら、
けんかとか、
そんなん、ないんですか。
◆お父さん、がっと。
◆がっと、お父さん、

さっき見てたら、今のこの時代、
この亭主関白はないですよ。
今ないですもん。
３歩下がってついてこいでしょう。
◆まあ、そんな感じやね。外を歩いてても、自分は足が速い
から、さっささっさ行ってしまう
わけ。
私は追いつくのになかなか追いつ
かれへんからね。
◆それはそうですよ。
◆そんなところがある。
◆ほら、お父さん。
何でほって行くんですか。
◆そういう番組ちゃうんちゃう？
◆いえいえ、
そういう番組です。
◆作品、見て…。
◆お父さん、どんだけ、作品見て
ほしいんですか。
もう見ません、
作品は。お父さん、もう見ません。
◆あそこの…。
◆お父さん、見ません。
◆あの地蔵さん、顔見て。
◆見て、お母さん、優しいわ。
こんなん、動きますか。
◆そんななあ、心の優しい人が
こんなもん彫れへん。
◆ここに出てますわ、優しさが。
みんな、そない言うてくれる。

◆見てお母さん、
あれやこれや指さしただけで動い
てくれての…。
◆ここで問題！
◆亭主関白、
今では、
そういう言葉もなかなか聞かんようになってきましたが。
◆女性陣からしたら、ちょっとお
母さん、
ええ人過ぎるんちゃう？