僅か4日目の事でした>
慶喜公が消えた!?
重臣と共に城を抜け出し天保山の港から→
開陽丸に乗り込み…。
どこに向かったとな?
江戸でごわす。
夜逃げか…。
(半次郎)御一同!
(一同)はっ。
おいたちの勝利じゃ。
(一同)おっ!
閧を上げっど!
(一同)お~!
(川路 半次郎)エイ エイ…。
(一同)オ~!
吉之助さぁ!
信吾の容体が悪か。こいが最期になっかもしれん。→
見舞ってやってくいやんせ。
おいが行くのは御所じゃ。
(新八)御所?
慶喜公を討つお許しを願い奉る。
(小兵衛)
信吾兄さぁ 聞こえもすか?
戦は終わいもしたど。
信吾兄さぁ!
お水 飲めますか?
(せきこみ)
もう 死… 死なせてくいやい。
ないを言われもすかそげんこつ できもはん!
うちが そんな事 許しまへんえ。
しっかりしておくれやす信吾はん。
<そのころ
江戸へ向かった慶喜一行は→
嵐に見舞われておりました>
なんたる不運…。これで この船艦に何かあれば→
笑い話にもならんぞ!
(容保)この開陽丸は 日の本一の軍艦でござりますれば→
砲撃も浴びておらぬのに
沈むなどという事は…!
(一同)うわ~!
(ふきの笑い声)
ふき!
このような時に何を笑っておる!?
(ふき)この船は きっと沈みます。
何を申すか。(ふき)罰が当たったんですよ。→
慶喜様にも この私にも。
もうすぐ海の藻くずとやら… ですね。
(笑い声)
笑うなと申すに!
天下の将軍様が こんなふうに
死んでいくのかと思ったら…→
何だか おかしくて。
≪(雷鳴)
<このあと なんとか無事に→
慶喜たちは江戸へたどりつきました>
もっと火鉢はないのか!?
はっ。 手あぶりを。はっ。
(定敬)この匂いは!
(容保)おお 待っておったぞ。
(板倉)上様 鰻が参りました。
勝…。
(勝)ここで
何をしておられますか? 上様。→
まさか 江戸前の鰻が食いたくて
舞い戻ってこられた…→
さような訳では
ございますまいな?
今は そのような嫌みは
聞きたくない。
鰻なんざ食ってる場合かい!
無礼であろう 安房守!
上様に なんという事を!
(勝)どうせ あんたの周りにゃあ→
こんな者たちしか
いねえんでしょうから→
この際 俺が はっきりと
教えてさしあげやしょう。
戦に負けたのも
徳川の名を地におとしめたのも→
みんな あんただ。
あんたは 徳川の恥だよ。
おのれ 安房守!
(慶喜)構わぬ!
言わせておけ。
(容保)しかし 上様…!
あなたは
西郷様から逃げただけです。→
言っていたではありませんか。
どこまで追ってくるんだって。
あなたは 西郷様が恐ろしいから
逃げたんです。
黙れ!
謝ればいいではありませんか。
あの方は 心根のお優しい方です。
あなたが 心から悔い改め謝れば→
必ず許して下さいます!
そうしないと→
西郷様は 地の果てまでも
追いかけてこられます。
出てゆけ。