二度と その面を見せるな。
俺の前から うせやがれ!
いいんですね?
私 本当に行っちゃいますよ。
いいんですね?
♪♪~
哀れだね… あんた。
≪(悲鳴)
あ~っ! ああっ!
(悲鳴)
何で こないな所に化け物が!?
<当時 京に異人が入る事は
許されていませんでした。→
人々の中には 鬼や天狗などと→
思い込んでいる者も多かったのです>
静まれ! 静まらんか!
(ウィリス)イッツ オールライト。イッツ オールライト。
皆さん 私は医者です。
医者ち?お医者様か!
助けておくれやす!
お願いします!
♪♪~
(英語)
<クロロホルムで麻酔をし
切開手術をするなど→
彼の技術は 当時
世界の最高峰のものでした。→
これにより 新政府軍の兵の命が
大勢救われたのです>
(小兵衛)信吾兄さぁ。
(お虎)信吾はん?
おいは 生きちょっとか?
生きちょっ。 生きちょっ!
ウィリス先生が
助けて下さったとじゃ。
ウィリス?
エゲレス人の医者じゃ。
吉之助さぁはおらん。
慶喜討伐の勅命が下されてのう。
兄さぁは 鬼になってしもた。
そいは ちごっ 信吾。
ウィリスさぁを京へ呼んだのは
吉之助さぁじゃ。
そんために エゲレス公使の
パークス殿に頼み込み→
エゲレス人を京の町へ
招き入れる許しを→
天子様に願い出たんじゃ。
吉之助さぁ 戦場へ戻るのか?ああ。
信吾のところには行ったのか?
おいは 既に何十人も死なせちょっ。
信吾だけを見舞う訳にはいかん。
兵庫の方に 大層腕のよか医者がおるち聞いた。
信吾も助かるかもしれん。
すぐに京へ呼び寄せてくいやい!
控え 西郷!
そんな事 できる訳ないやろ!
(中山)そや そや! この京に
異人を招き入れたいやなんて→
なんという罰当たりな!
此度の戦で傷つき倒れた兵たちの多くが→
回復もままならず
命を落としております。
何とぞ お許しを賜り…。
(岩倉)控え 西郷!→
お前 天子様に
じかに物申すとは何事だ!→
控え! 下がれ下がれ! 下がれ!
西郷殿!
日本国の
行く末を担う者たちの命を→
一人でも多く
救いたいのでございもす!
信吾。
鬼が 弟のためにそげんこつまでするち思うか?
♪♪~
<慶応4年2月 吉之助たちは関東を征伐するため→
江戸へ向け
京を出発する事になりました>
ここまで戦ってこられたのは
おはんらのおかげじゃ。
今は しっかい体を休ませ。
あいがとさげもす。
(鍵屋)西郷はん 村田はん
どうぞ ご無事で。
ほんのこて世話にないもした。
厚く礼を申しもす。
(お虎)西郷は~ん!
兄さぁ。
兄さぁ。
よう生きちょった。
あとは ゆっくり養生せえ。
おいも行く。ないを言うか。
みんなで お止めしたんどすけど
どうしても行く言うて。
ウィリス先生も
押し切られてしもて。
足手まといにはならん。
おいも連れてってくいやんせ。
信吾…。